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東証の「リアルタイム株価オープン化」は
何をもたらすか?

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第228回】 2012年4月18日
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「20分の壁」がなくなる!
東証のリアルタイム株価オープン化

 東京証券取引所が、リアルタイムの株価情報を現在よりも大幅にオープンにする方針を打ち出した。

 『週刊ダイヤモンド』は、東証が4月11日にも方針を公表すると一足先に報じたが、実際に東証は4月11日、「『相場情報使用に関するポリシー』の改訂について」と題するリリースで、「インターネット等を通じた不特定多数の利用者向けの『オープン型端末サービス』においてリアルタイムの株価情報の配信を可能とすることといたしました」という方針を発表した。

 これまで、一般人が無料で閲覧することができるインターネットのサイトでは、リアルタイムの市場価格よりも20分遅れの株価を提供することが普通だった。

 無料で提供される株価は20分遅れ、情報端末の利用料を払ったり、顧客として証券会社のサービスを利用したりする場合は、リアルタイムの株価が利用可能で、さらに料金を支払う用意のある機関投資家は、あれこれと分析機能を伴う情報とソフトが利用可能だ、というのが情報コンテンツの「質の差」と「価格差」の関係として典型的な秩序だった。

 しかし、今年の8月1日からは、一般人が無料で閲覧できるサイトでも、(ほぼ)リアルタイムの株価を、おそらくは追加料金なしで見ることが可能になる。

 『週刊ダイヤモンド』の記事によると、コンテンツ提供業者に対する課金が「月額500万円」くらいになるだろうということらしい。このくらいの料金なら、たとえば「ヤフーファイナンス」のようなサイトであれば、リアルタイム株価を提供することによるページビュー増加に伴う広告収入で十分にペイするだろうから、我々は手軽にリアルタイムの株価を見られるようになるだろう。

 ただし、20分遅れの株価とリアルタイムの株価の「投資家にとっての価値」がどれだけ違うかについては、判断の難しいところだ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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