子どもが心から楽しめる「親の押しつけではない」夏休みの遊び場とは全国に広がるプレーパーク(冒険遊び場)活動は、従来の遊園地や公園のように、親や主催者が子どもに押し付ける遊び場ではない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

子どもも大人も幸せになれる
「プレーパーク」とは

 お盆明けの8月19日日曜日、大阪市生野区で「ヨルダンひろばプレーパーク」というプレーパークが開設された。私もメンバーとして参加している「生野子育ち社会化研究会」が、活動の一環として主催したものだ。このプレーパークは1日限りの企画だが、将来に向けた試行でもある。

 当日は晴天に恵まれ、とはいえ酷暑は去っており、外遊びや水遊びのために訪れたかのような天気だった。会場となった空き地には、子どもと大人数十人の笑顔と歓声が溢れた。

 同研究会は、活動開始に先立って、「生野区で空き地・空き家を活用した食と農のプロジェクト」を通じて、地域の小中学生の保護者たちに対してアンケートを行った。2015年末に行われたアンケートには、300人以上の保護者たちが意見を寄せた。多かった回答の1つは、「子どもを安心して遊ばせられる場所がない」というものだった。子どもにとっては「安心して遊べる場所がない」ということでもある。

 保護者たちと子どもたちの「遊ばせたい」「遊びたい」というニーズに応えるのが、「プレーパーク」(冒険遊び場)活動だ。1979年、東京都世田谷区に「羽根木プレーパーク」が開設されたのを皮切りに、現在は全国各地で多様なプレーパークが開催されている。スタッフやボランティアの見守りのもと、子どもたちは、焚き火・木登り・泥遊び・秘密基地づくりなど、思いつく限りの活動を好奇心と意欲の赴くままに行うことができるのが特徴だが、形態は常設(世田谷区内に4ヵ所)の場合もあれば、週や月に1回の場合もある。開催主体も多様だ。

「生野子育ち社会化研究会」のメンバーは、8月19日の1日限りのプレーパーク試行開催のために、5月から準備を重ねてきた。最初の一歩は、大阪市西成区でプレーパーク活動を続けている保育士の西野伸一さんを講師として、プレーパークについて学ぶことだった。