ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
オヤジの幸福論

企業年金の真実

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]
【第5回】 2012年5月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

存在感を増す企業年金

 これまで2回にわたり日本の年金制度の1階部分(国民年金)と2階部分(厚生年金、共済年金)を構成する公的年金について話をしましたが、今回からはその上の3階部分にあたる企業年金に話題を移したいと思います。

 AIJ投資顧問による年金消失問題によって最近にわかに注目を集めている企業年金ですが、普通のサラリーマンで企業年金に精通している方は少ないのではないでしょうか。50歳前後のオヤジ世代であれば、40代後半くらいで実施される老後に向けた社内研修等でおよそのことはご存じかもしれませんが、現役世代全体では不案内な方のほうが圧倒的に多いと思います。実際、入社や転職の際に給与水準は意識しても、退職金や年金のことまで考えて会社を選ぶ人は少数派でしょう。「若いときにそんな先のことまで考えられない」と思うのは当然ですが、受け取るのは遠い将来でも、退職金や年金も給与と同様、大切な生活資金です。ましてや、今後は公的年金の給付減額がほぼ確実なため、老後の生活を支える資金として企業年金が果たす役割はますます大きくなっています。

そもそも企業年金って何?

 現役世代が払った保険料を受給者に支給する「社会的仕送り」制度である公的年金に対し、企業年金は「自助努力」的な制度です。具体的には、現役時代に拠出する掛金を運用によって増やし、退職後に一時金や年金として受け取る仕組みになっています。公的年金も資産を運用しますが、あくまで保険料が足りない場合のバッファー的な位置づけである一方、企業年金は運用することが前提として設計されている点が大きく異なります。つまり、企業年金と資産運用は切っても切り離せない関係にあるのです。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]

慶應義塾大学理工学部 非常勤講師。1997年慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。97年株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)にて、法人向け融資業務に従事。2000年みずほ総合研究所に勤務し、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。06年一橋大学大学院国際企業戦略研究科にてMBA取得。同年4月アライアンス・バーンスタイン株式会社に入社。共著書に「企業年金の資産運用ハンドブック」(日本法令 2000年)、「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(東洋経済新報社 2004年)などがある。

 


オヤジの幸福論

年金支給が70歳支給になるかもしれない。公的年金ばかりか企業年金も怪しくなっている。銀行の金利も微々たるもの。平均寿命が延びるほどに老後が不安になってくる。自分で自分を守るためにどうしたらいいのか。オヤジの幸福のために自分年金について教えます。

「オヤジの幸福論」

⇒バックナンバー一覧