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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

問題なのはリスクを冒さないこと
冒せなくなること

上田惇生
【第19回】 2007年12月4日
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マネジメント(上)
ダイヤモンド社刊 5775円(税込)

 「企業活動に伴うリスクをなくそうとしても無駄である。現在の資源を未来の期待に投入することには、必然的にリスクが伴う」(『マネジメント』)

 複雑な世界にあって、見えない未来に向けて、ヒトとモノとカネを投入する。そして、投入したものをはるかに超えるものを得る。それが企業の成長であり、社会の繁栄である。そこにリスクが伴うのは当然である。わかりきったものからは、わかりきったものしか手に入れられない。

 ドラッカーが気にするのは、この当然のことに対する無知や無理解ではない。それ以前の問題として、頭もよく知識も豊かな人たちが、リスクについて持っている考え方である。リスク抜きを是とするメンタリティである。

 それは世界からリスクを取り除くことはできるし、取り除かなければならないとする考えである。

 そうではなく、より大きなリスクを負えるようにすることが必要なのである。

 たとえば、毎年数百億円を研究開発につぎ込めるようになることが肝心なのである。

 経済活動において最大のリスクは、リスクを冒さないことである。そしてそれ以上に、リスクを冒せなくなることである。

 「リスクの最小化という言葉には、リスクを冒したり、リスクをつくりだすことを非難する響きがある。つまるところ、企業という存在そのものに対する非難の響きがある」(『マネジメント』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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