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加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

「夢はなんですか?」
街頭取材で感じた日本の空気感(上)

加藤嘉一
【第13回】 2012年6月25日
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人生を明るく前向きに生きるには、「夢を持つこと・語ること・追いかけること」が必要だと私は思う。どんなに辛くても、苦しくても、その先に夢が待っていると思えば、自然と力が湧いてくるものだ。私が拠点にしている中国は、共産党一党独裁体制に対する不満があるとはいえ、右肩上がりの経済成長を背景に「明日は必ず良くなる」という思いが国民に根強く、夢を持てる社会だと感じる。そうした海外の人々に比べて今の日本は、人々が一様に暗い表情を浮かべているように見える。そこで私は、普段海外で実施している街頭インタビューを日本でも試みた。日本の人々が今、実際にはどのような心境にあるのか現場検証すべく、人々に「あなたの夢は、なんですか?」と直接聞いて回った。実際にインタビューした際の動画もお届けする。

日本人は、夢を忘れたのか

 「あなたの夢は、なんですか――?」

 先日、一時帰国した際、東京都内の公道で街行く人々にこう問いかけてみた。

 なぜ、私が「夢を聞いて回る」という行動に出たのか、まずはその背景を説明したい。

 私はここ数年間、世界のあらゆる場所に足を運んできた。現在、拠点としている中国の北京や上海、広州をはじめ、香港、台北、シンガポール、ジャカルタ、ソウル、シドニー、ロンドン、アテネ、ローマ、イスタンブール、エルサレム、ウィーン、プラハなどの都市を現場で見てきた。

 旅をすると、生まれた祖国を相対的に俯瞰することができる。御国を出てこそ、祖国の真の姿が見えてくる。そうして私は近頃、世界有数の都市「東京」について、3つのことを感じるようになった。

 一つに、インフラや民度、治安、飲食、サービス、住みやすさなど含め、これほど豊かで多様な先進性を持った都市は、ほかには見当たらないということ。二つに、これほど勤勉に、一定のリズムで、周囲の動きに合わせながら働き続ける人たちはいないということ。三つに、これだけ先進的で、勤勉で、他者との協調性を重んじた労働・生活環境であるにもかかわらず、人々があまり楽しそうではなく、暗い表情をしていることが多いこと。

 この3つを胸に、東京で働き、生活する人々に直接伺いたかったことが「夢」だった。人生を明るく、前向きに生きる最高の術が「夢を持つこと・語ること・追いかけること」だと私は思う。どんなに辛くても、苦しくても、その先に夢が待っていると思えば、自然と力が湧いてくるのが人間だ。

 先に挙げたように、日本人が世界の人々と比べて相対的に恵まれているにもかかわらず、暗い表情をしているのは、もしかしたら、「夢」を忘れているからではないだろうか、と思ったわけだ。

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

 「だったら、お前がやれ!」
この言葉が意味すること、それは「対案の無い無責任な批判はするな」ということだ。もともと、この言葉は加藤嘉一氏の亡くなった父の口癖だったが、加藤氏は自らの行動規範として常に心に留めている。相手に対して意見するとき、必ず自らに問いかける。
そんな加藤氏が今、憂いているのは、日本社会にあまりにも無責任な批判、意見、論評が多いということだ。本連載では、日本社会に蔓延る無責任な論評を、加藤氏の視点で切り込み、加藤氏なりの対案や考え方を示す。

「加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る」

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