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見逃された原発の金融リスク(下)
――グリーンピース エネルギー投資シニアアドバイザー ギョルギー・ダロス氏に聞く

2012年6月26日
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原発の金融リスクが見逃されてきたことを指摘し、格付け機関やアナリストにリスク評価の改善を迫るとともに、投資家に対して警鐘を鳴らす報告書の著者の1人であるダロス氏へのインタビューの最終回となる。今回は原発の投資リスクについてさらに詳述するとともに、福島第一原発の事故により多額の損害を被った日本生命などの企業がどう対処すべきか、ダロス氏の処方箋を紹介する。(ジャーナリスト 井部正之)

世界に残る“負の遺産”
旧式原子炉

ギョルギー・ダロス/グリーンピース・インターナショナル エネルギー投資シニアアドバイザー。エコノミストでコンピュータープログラマーでもある。ハンガリーのIBMやシティバンクで勤務後、コンサルティング会社「ボストン・コンサルティング・グループ」で国際エネルギー事業(電機、天然ガス、石油)の業務を担当。その後、国連食糧計画(WFP)のシニアエコノミストとして3年間勤務し、2011年より現職。ハンガリー出身。

 前回の記事で東京電力の事故以前から指摘されていた同社の原子力リスクを示す様々な警告が見逃されてきたこと、そして事故による負債が資産の100倍に達するとの調査結果について紹介した。

 しかし、ダロス氏は「こうしたリスクは何も東電に限ったことではない。このような問題は世界中に存在する」と言う。

 ダロス氏らの報告書から概説しよう。

 1つ目は既設原子炉の設計上のリスクだ。米国でGEの「マークI型原子炉」は散々“欠陥炉”として危険性が指摘されていたことを前々回の記事で紹介したが、実はそうした批判が繰り返しされている米国でも、このタイプの原子炉23基が稼働中なのである。米国以外でも日本、スペイン、スイス、インドにこのタイプの原子炉が存在するという。これらの原子炉では当然ながら福島第一原発と同様の事故に対する脆弱性を持っている。

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