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出口治明の提言:日本の優先順位

日本企業のコーポレートガバナンスを問う3つの視点
株主総会の在り方、社外取締役、クオーター制

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第54回】 2012年7月3日
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 今年のわが国の株主総会集中日は、6月28日(木)だった。全国で株主総会を開催した企業は、1051社。1990年以来では、昨年に次いで2番目に少なかったという。即ち、総会日の分散が進んでいるということらしい。

 しかし、大手メディアが総会集中日を、「まるで当然のこと」のように取り扱う風潮には、強い違和感を禁じ得ない。

集中日イコール株主には
来てほしくないということではないか

 かつてのわが国の株主総会では、総会屋と呼ばれる反社会的勢力が跳梁跋扈していた。そのため、株主総会集中日というアイディアがいわば必要悪として生み出されたと言われている。ところで、今年の総会集中日には、17社にのべ19人の総会屋が出席したと報道されている。もはや、総会屋は、わが国から、ほぼ根絶されつつある存在なのだ。

 そうであれば、株主総会を集中させる意義は既に失われたはずだ。コーポレートガバナンスの頂点に位置する株主総会を実効ならしめるため、少しでも多くの株主に、株主総会に出席してもらいたいのであれば、企業は総会集中日を必死で避けようとするはずだ。

 それでも東証によると、2012年3月期決算企業の集中率は、41.6%、700社以上に上るという。これでも調査が始まった1983年以降、過去2番目の低さだというが、株主によっては、4割超の企業が本音では「株主には総会に来てほしくない」と思っていると感じてしまうのではないか。

 さらに、本気で多くの株主に来てもらいたいと思うのであれば、株主総会は週末に開催しようと考えるのが自然な流れだ。ところが、この6月に株主総会を週末に開催した企業は、東証公開情報によれば、864社中、わずか12社しかない。

 また、株主総会で真っ当な議論を行おうと考えれば、企業情報の宝庫である有価証券報告書を株主総会前に開示することが非常に有益であると考えられる。ところが、株主総会前に有価証券報告書を開示した企業は、わずか20社しかない(週刊経営財務調べ)。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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