ファミリーマートの韓国のエリアフランチャイザー(FC)が離反とも取れる動きを見せている。

 6月初旬の株主総会で社名を普光ファミリーマートからBGFリテールに変更、8月からは店名も「ファミリーマート」から「CU」に変え、7200店強に及ぶ全店の看板を掛け替えるというのだ。

 ファミリーマートの海外店舗約1万1700店の6割強を占める韓国は、同社の海外進出における最大の成功事例。LGグループ系の「GS25」、ロッテ系のコリアセブンが展開する「セブン-イレブン」(米国セブン-イレブンとライセンス契約)を含む3強でシェア8割を占めるといわれる韓国コンビニエンスストア業界にあっても、店舗数でライバル2社を圧倒している。

「ファミリーマート」から「CU」へのブランド変更を発表した韓国BGFリテールは、世界市場への進出もほのめかす
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 韓国で記者会見したBGFの洪錫肇(ホン・ソクチョ)会長は、ブランド変更の目的を「世界市場に出ていくため」と説明したという。

 そうだとすれば、アジアでの出店をてこに全世界での店舗数を現在の約2倍の4万店に増やそうと計画しているファミリーマートと真っ向からぶつかることになる。

 だが、ファミリーマート側に話を聞くと様相がかなり異なる。確かにブランドは「CU」に変わるが、看板には「with FamilyMart」と付記する。さらに、現在23%強となっているBGFへの出資比率を、この夏をめどに引き上げる新たな包括提携を結んだ。BGFから一定のロイヤルティを得る契約にも大きな変更はないという。それが事実なら、出資比率に応じて連結決算に取り込める持ち分法利益はむしろ高まる可能性があるし、今まで通りロイヤルティ収入も得られる。ファミリーマートにとっては何の不都合もない。

 とはいえ、出資比率をどれだけ引き上げるかはまだ決まっておらず、仮にBGFが「CU」ブランドで韓国以外にも出店するとなると「具体的な計画があるとは聞いていないが、仮にそうなったらあらためて協議する必要がある」(ファミリーマート)としている。

 どうも、そろそろ独り立ちしたいBGFと、そうはさせたくないファミリーマートという構図が透けて見える。