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加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

変革の第一歩! 横国大「留学義務化」は日本の未来をつなぐ

加藤嘉一
【第15回】 2012年7月9日
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一歩踏み出した横国大

 先日、沖縄に出張していたときのこと。久しぶりに目の覚めるようなニュースに出会った。日本の将来に関わる情報だと咄嗟に判断したので、DOYでも扱いたいと思う。ちなみに、「DOY」とは「だったら(D)お前が(O)やれ(Y)」の略称のことである。この数ヵ月の、私の合い言葉だ。

 そのニュースとは、横浜国立大が2014年度をメドに入試制度を変更し、全学部の定員の1割を対象に、入学直後から半年間の海外留学を義務付ける特別枠を導入する、というものだ。入試で磨いた英語力が落ちないうちに留学を促し、国際感覚のある学生を増やす狙いで、15年度入学の学生から実施する方針だという。(参考:「横浜国大、学生1割に留学義務付けへ 15年度メド−半年間、国際感覚を育成」日本経済新聞電子版)

 私は、同大学のチャレンジに、心からエールを送りたい。なぜなら、私は「世界で通用するグローバル人材を如何に大学機関で育成するか」が、いまの日本の教育機関が早急に答えを見出さなければならない課題だと考えており、同大学はそれに対して真正面から向き合い、対策を打とうとしているからだ。

 国立大学は運営の多くを国からの運営費交付金に頼っているなど、さまざまなしがらみがあるはずで、思い切った、新しい政策を打ち出しにくい状況にある。それにもかかわらず、一歩、踏み出した。

 必ず実行し、目に見える成果を残してほしい。一期生が卒業する18年度から19年度あたりに、外国語試験の点数、就職率などの数字、及び留学経験者へのインタビューなどで成果を測り、公表し、ほかの国公立の改革を牽引してほしい。

均質化した日本の大学生

 私は最近、拠点とする中国から一時帰国するたびに、日本の大学で講義をさせていただく機会を得るようになった。そこで感じるのは、個人差はあれ、日本では「大学に入ること」、「大学を出ること」が当たり前になっているということだ。学生本人はそうは思っていないのかもしれないが、少なくとも、私からはそう見える。「当たり前に思う」ことこそ、人間の成長を阻むものはない。

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

 「だったら、お前がやれ!」
この言葉が意味すること、それは「対案の無い無責任な批判はするな」ということだ。もともと、この言葉は加藤嘉一氏の亡くなった父の口癖だったが、加藤氏は自らの行動規範として常に心に留めている。相手に対して意見するとき、必ず自らに問いかける。
そんな加藤氏が今、憂いているのは、日本社会にあまりにも無責任な批判、意見、論評が多いということだ。本連載では、日本社会に蔓延る無責任な論評を、加藤氏の視点で切り込み、加藤氏なりの対案や考え方を示す。

「加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る」

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