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野口悠紀雄の「経済大転換論」

アメリカの量的緩和政策(QE)も、
実体経済に影響せず

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第26回】 2012年7月12日
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 FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)が一層の金融量的緩和(QE3)を行なうべきだとの声がある。それが行なわれれば、アメリカ経済や世界経済は好転するのだろうか?

 それを知るためには、これまで行なわれた量的緩和策(QE1、QE2)の効果を見ておく必要がある。

 以下では、まず2007年から08年にかけてのアメリカ金融危機に対してアメリカ政策当局が行なった対策を振り返ったあと、FRBによる量的緩和策の効果を見ることにしよう。これについて理解しておくのは、現在のヨーロッパ金融危機を理解するにも重要なことである。

金融危機と公的資金の注入

 高騰を続けていたアメリカの住宅価格は、2007年夏頃をピークとして、下落に転じた(【図表1】)。これを発端として金融危機が起こった。

 これは、アメリカの金融業界全体に急速に広がった。借り手の返済能力を疑う金融機関が融資を行なわなくなったため、企業の資金繰りが難しくなり、金融以外の事業も含めて、経済活動がストップしてしまった。

 そして08年9月にリーマン・ブラザーズが破たんし、アメリカの金融システムは危機的な状況に立たされた。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄の「経済大転換論」

日本経済は今、戦後もっとも大きな転換期にさしかかっている。日本の成長を支えてきた自動車業界や電機業界などの製造業の衰退は著しく、人口減や高齢化も進む。日本経済の前提が大きく崩れている今、日本経済はどう転換すべきなのだろうか。野口悠紀雄氏が解説する。

「野口悠紀雄の「経済大転換論」」

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