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エコカー大戦争!

トヨタ叩きより日本の成長戦略を語ろう!
スマートグリッドという金の卵の育て方

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第31回】 2010年2月25日
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 ニューメキシコ州。この米国西南部の州は、東のテキサス州、西のアリゾナ州、北のコロラド州、そして南は隣国メキシコに挟まれ、面積では全州の中で5位ながら、人口は197万人と36位にすぎない。

 同州と日本との接点といえば、州都サンタフェの名が、女優・宮沢りえさんが18年前に篠山紀信氏の手で撮ったヌード写真集「Santa Fe」(朝日出版社刊)で知られている程度かもしれない。

スマートグリッドは、オバマ大統領がグリーンニューディール政策のなかで使ってから世界的にブレークした政策用語
Photo(c)AP Images

 この日本ではほとんど馴染みのない州で実はいま、日本経済の「成長の切り札」と言われている産業の大実験が始まろうとしている。産業の名は、スマートグリッド。一般的な解釈では、太陽光発電などの新エネルギーを既存の電力会社設備に取り込み、それをIT化して効率的に管理運用する技術だ。

 昨年あたりからテレビや新聞などによく登場する、この言葉。その周辺には、風力発電、太陽光パネル、系統連携、エコ住宅ポイント、蓄電池としての電気自動車利用、マイクログリッド、スマートメーター、定置型リチウムイオン二次電池など「いかにもエコ」、「いかにも近未来産業」をイメージさせるキーワードが散りばめられている。だが、メディア関係者を含めた多くの日本人が、スマートグリッドを正しく理解していない。知ったかぶりをする人は「系統連携=スマートグリッド」と言う。

 スマートグリッドの正しい解釈について、ニューメキシコ州での大実験の中心人物である、経済産業省管轄の独立行政法人NEDO(正式名称:新エネルギー・産業技術総合開発機構)の諸住哲氏(新エネルギー技術開発部・系統連携技術グループ主任研究員、工学博士)はこう説明する。 

 「スマートグリッドはいまから5~6年前に自然発生的に登場した。商標ではない。スマートグリッドと同義で、インテリ(ジェント)グリッド、フューチャーグリッドなどがあったが、オバマ大統領が(グリーンニューディール政策のなかで)使ってから世界的にブレイクした。政策用語として考えると分かり易い」。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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