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「引きこもり」するオトナたち

年を重ねても他人と何も話せない
“大人の緘黙(かんもく)症”の子を持つ親の悲痛

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第116回】

 「緘黙(かんもく)」という言葉から、当コラムにアクセスしてくる人たちが増えている。

 「緘黙」とは、ある特定の場面になると、何も話せなくなる状態のことで、「場面緘黙症」とも呼ばれている。

 なかには、特定の場面だけでなく、家族も含めて、すべての場面において話せなくなる「全緘黙(症)」の状態になる人もいる。

 安定的にアクセスされ続けているのは、そんな「緘黙」から、長期間にわたり「引きこもり」状態になる人が、公の場でカミングアウトすること自体、初めてのことだったからだろう。

 そして最近、それまでは、まったく存在が知られていなかったにもかかわらず、実は潜在的に多いかもしれないことがわかってきた。

 今回は、そんな家族の話を紹介する。

「大人になれば自然に治る」
その言葉を信じてきたが…

 70歳代の父親Aさんの息子は、30代半ば。中学生のときから「全緘黙」になり、以来、およそ20年にわたって、引きこもり続けている。

 「あまりモノが言えず、いろいろな場面で、いろいろ工夫を重ねてきました。結局、社会的なつながりという面では、幼稚園に通い始めたときから現在に至るまで、同じ問題を引きずったままなのです」

 「緘黙」というと、これまで「子どもの問題であって心配いらない。大人になれば自然に治る」と、専門家から言われてきた。

 ところが、20年経っても、状況は何も変わっていない。それどころか、大人になると、学校の問題ではなくなり、本人の一生の問題に変わる。

 「私が死んだら、この子はどうなるのか? 生活する能力がないのに…」

 と、Aさんは、途方に暮れる。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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