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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

行政そのものが自ら成果を上げるには
峻別、廃棄、強化が必要

上田惇生
【第297回】 2012年7月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
2100円(税込)

 「反行政であることが流行している。しかし、反行政では問題は解決しない。われわれは有用かつ強力な行政を必要としている。事実これからの数十年、われわれはより少なくではなく、より多くを行政に期待しなければならない」(ドラッカー名著集(8)『ポスト資本主義社会』)

 今日では、ほとんどあらゆる政治リーダーが行政の縮小を唱えて政権に就く。だが、彼らの成果たるや惨憺たるものである。世界中いずれの国でも、彼ら反行政のリーダーの下で、政府支出と政府規制は増加する一方である。

 歳出は制御不能となり、しかも歳出を増大させるほど、政府の能力は低下している。しかし、行政がなすべきことは増大こそすれ、減少することはない。行政がなすべきことは枚挙にいとまがない。

 もはや小手先ではどうにもならない。民間人を登用しても問題の解決にはならない。登用された民間人が驚くべき速さで官僚となるのを目にさせられるだけである。問題は人にあるのではなく、予算型組織と予算型事業という仕組みにあり、その仕組みが簡単に変えられるものではないからである。

 そこでドラッカーは、行政そのものに成果を上げる能力を取り戻させなければならないという。そして、そのための手順を教える。

 第一に、行政が機能している分野と機能していない分野を峻別することである。第二に、機能していない分野を廃棄させ、民間に任せることである。第三に、機能している分野には、さらに力を入れさせることである。

 再建のためには、機能していないものはすべて廃棄し、機能しているものはすべて強化しなければならない。再建の戦略においては、廃棄が重要な地位を占める。廃棄がなされない限り、何事もなしえない。廃棄がなされなければ、すべての資源は、機会ではなく問題に向けられたままとなる。

 「何を廃棄するかについては、常に議論が行われる。もう一度やってみるべきだという者がいる。むなしく妥協を求める者がいる。苦痛なしに腐った足を切除できると約束する法螺吹きなど、さまざまな者が出てくる。しかし、実際に廃棄が行われるまでは、何事もなされない。復活は死者が葬られて可能となる」(『ポスト資本主義社会』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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