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China Report 中国は今

「中国、再び不動産熱」は本当か?

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第105回】 2012年8月10日
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6月になり弾けるように
新築住宅価格が上昇

 「中国、再び不動産熱」、「中国不動産市場復活の兆し」――

 7月下旬、日本のメディアは、金融緩和で動きが出始めた中国の不動産市場の変化を報じた。

 中国国家統計局の発表によると、今年6月の主要70都市における新築住宅価格は、25都市が前月比で上昇となり、5月の6都市から4倍以上に増えた。新築住宅価格は政策も奏功し、今年に入り低い水準で推移してきたが、6月になり弾けるように増加したのだ。

 さらに、成約面積も大幅な伸びを示すものとなった。今年第2四半期、主要20都市における月間の平均成約面積は1313万m2にのぼり、前年同期比66%の増加となった。

 2012年第1四半期は低迷していた中国の不動産市場だったが、「不動産冬の時代も一転して夏が到来」したかのようだ。

 背景には、中国人民銀行が6月以降2回連続して行った利下げがある。また、ここ数ヵ月続いていた、売り主による値引き合戦やサービス合戦がこれに重なり、「買い」と読んだ層がここに群がった。

 だが、市場が不動産取得に動いたのは、単に利率を下げたからではなかった。
「利下げは政府の政策転向だ」という先走った誤解が「買い」に火を付けたのだ。

 不動産価格が異常に高騰した中国ではここ数年来、不動産取引の価格上昇を抑制するために、当局による各種規制が断続的にかけられてきたが、結果的にそれが景気全体の減速をもたらすことにもつながった。この抑制策(限購令)こそ、景気悪化の元凶とも言われてきたが、「いよいよ解禁か」と誤読されたのだ。

 「中央政府はそろそろ、この抑制策を取り下げるはず」――という期待と憶測が高まるさなか、2度の利下げは「政策転換」のシグナルだと受け止められた。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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