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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の22「日本はアメリカを攻撃したのです」
(チャーチル)
リーダーが決断するとき

江上 剛 [作家]
【第22回】 2012年8月16日
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 イギリスでオリンピックが開催された。イギリスと言えば、思いだすのは第2次世界大戦の英雄、ウインストン・S・チャーチル(以下チャーチル)だろう。

 彼は海軍軍人であり、老練な政治家。ヒトラー率いるナチス・ドイツがヨーロッパを侵略し始めた頃、戦争内閣を率いて、ドイツと戦った。チャーチルは、政治家であるが、歴史家、文筆家であり、第2次世界大戦などの一連の作品でノーベル文学賞も獲得した。

 その作品の一つ、第2次世界大戦(1巻から4巻・河出文庫)は、圧巻の第2次世界大戦の記録だ。これを読むとヒトラーは戦争や外交が巧みで、次々と欧州に支配を広げて行く。イギリスの同盟国は次々とドイツに降伏する。チャーチル率いるイギリスは、孤立無援だ。

勝利を確信した瞬間

 チャーチルは、とにかく戦い抜くことを決意し、イギリス軍に指示を飛ばし、国民を鼓舞する。しかしロンドンは空襲で破壊され、もはやこれまでかと思いかけた頃、それまで粘り強く参戦を促していたアメリカが、参戦を決めたのだ。

 きっかけは日本のアメリカ攻撃、すなわち真珠湾攻撃だ。

 「本当です。私どもも外で聞きました。日本はアメリカを攻撃したのです」

 執事ソーヤーズがチャーチルに言った。

 河出文庫第3巻には、その時のチャーチルの興奮ぶりが活写されている。

 日本軍の真珠湾攻撃の情報を得たチャーチルは、アメリカ大統領ルーズベルトに電話し、「大統領閣下、日本はどうしたのですか?」と聞く。ルーズベルトは「本当です」と日本軍の真珠湾攻撃の情報を肯定し、「いまやわれわれは同じ船に乗ったわけです」と答える。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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