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加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

“イケてない大人”になっていないか?
現代高校生の声を聞け!

加藤嘉一
【第19回】 2012年8月20日
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 「野田総理がいつ衆議院を解散するかは重要な焦点だが、高校生であるみんながいま何を考え、どう行動するかのほうが、日本の未来にとってはもっと大切だ!」

 8月13日、私は伊豆にて開催された「第3回ヤング天城会議」(日本IBM主催)で、日本全国から集結した高校生35人に講義をした。同じく講師として、米倉誠一郎・一橋大学イノベーション研究センター教授も出席されていた。私は講義の冒頭で、上記のコメントを腹の底から発した。

高校時代から“個”を意識せよ

魂を込めて、気合を入れて語りかけた
Photo by DOL

 講義のテーマは「多様性のある世界で必要となる力とは何かを考える」だった。私は本連載でも再三述べてきたように、「その力とは“個のチカラ”です」と高校生たちに伝えた。

 私は世界がもっとも注目し、ヒト、モノ、カネ、情報が集まる中国で約10年間暮らした。“アウェー”という戦場で、北京大学での学業の傍ら、言論の世界でさまざまな方々と意見を戦わせてきた。

 急速な発展を遂げている昨今の中国は、まさに混沌という言葉で表すのがふさわしい。ルールも規律も確立されていない言論の“戦場”において、“個のチカラ”がいかに大切で、クローズアップされるかを、私は肌身で感じてきた。一人の人間として、自らの存在感を周囲に知らしめ、自らの意見を相手に理解してもらい、局面を打開していくには、最終的には“個のチカラ”に限る。

 日本は“失われた20年”と国内外で揶揄されるが、日本の影響力が年を追うごとに低下している根本的な原因は、国際社会で実力を発揮できる“個”が育っていないからだと私は考えている。

“面の時代”から“点の時代”へ。

 日本の外では、すでに“個のチカラ”で勝負する時代になっていることを、こんな風に高校生たちに伝えた。

 「資本主義か社会主義か、西側諸国か東側諸国か、先進国か後進国か、男性か女性か、政府か民間か、中央か地方か、国内か国外か、若者か高齢者か、日本人か外国人か……。これらはすべて“面の議論”だ。これからこの前提は崩れていく。いや、もうすでに崩れている。若者だって、デキる人間はいる。先進国が世界の発展を牽引するとは限らない。日本人だから日本の社会に貢献できるとも限らない」

 「これからは“点”の時代に入っていく。たとえば、後進国であるネパール出身の25歳の女性が、先進国である日本の世論を引っ張る。こういう場面が日常的に起こる時代に突入していく。そして、“点”を支えるのはまさに“個のチカラ”なんだ」

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

 「だったら、お前がやれ!」
この言葉が意味すること、それは「対案の無い無責任な批判はするな」ということだ。もともと、この言葉は加藤嘉一氏の亡くなった父の口癖だったが、加藤氏は自らの行動規範として常に心に留めている。相手に対して意見するとき、必ず自らに問いかける。
そんな加藤氏が今、憂いているのは、日本社会にあまりにも無責任な批判、意見、論評が多いということだ。本連載では、日本社会に蔓延る無責任な論評を、加藤氏の視点で切り込み、加藤氏なりの対案や考え方を示す。

「加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る」

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