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「安いからソニーにしよう」ではなく
「この値段でも買いたい」を目指す
――ソニー・コンピュータエンタテインメント取締役
兼ソニーマーケティング社長 河野弘氏インタビュー

石島照代 [ジャーナリスト]
【第33回】 2012年8月29日
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 シャープ、パナソニック、ソニーなど、長い間日本経済の屋台骨を支えてきた家電系企業の業績が低迷しているが、ソニーはものづくりとデジタルエンタテインメントビジネスの両立で活路を見いだそうとしている。ソニーグループ関連会社、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)と、ソニーマーケティングのトップを兼任する、ソニー・コンピュータエンタテインメントの河野弘取締役に、ソニーのデジタルエンタテインメントビジネスとマーケティング戦略について話を聞いた。

かわの・ひろし
1962年生まれ。福岡県出身。85年慶応義塾大法学部卒、ソニー入社。90年ソニーヨーロッパインターナショナルで東欧ビジネスの立ち上げを担当。2003年ソニー・エレクトロニクス・インク(米国)でセールス、05年ソニー直営店舗・e-Commerceスタイル、09年ホームディビジョン各部でシニアバイスプレジデントを歴任。10年、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン プレジデント(現任)、12年ソニーマーケティング社長(現任)、6月ソニー・コンピュータエンタテインメント(ジャパンの親組織)取締役(現任)。

石島 あす30日発売のネットワークレコーダー&メディアストレージ「nasne(ナスネ)」は、先月19日に発売予定でしたが、発売日前日に急きょ発売延期になるという前代未聞の事態となりました。

河野弘取締役(以下河野) まずは、「ナスネ」発売を心待ちにされておられたお客様に、この場をお借りして心からお詫び申し上げたいと思います。本当に申し訳ございませんでした。

 「ナスネ」は、100万台を発売した、プレイステーション3専用テレビ視聴・録画アプリケーション「トルネ」をご愛用中のお客様など、幅広い方から期待いただいていた商品でもあり、お客様、お取引先様の信頼を損なう憂慮すべき事態であると重く受け止めております。今後、一層の信頼回復に務めてまいります。

石島 「ナスネ」は地デジ/BS/110度CSのデジタル3波に対応したデジタルチューナー搭載のネットワークレコーダー&メディアストレージだけに、ロンドンオリンピック開催期という録画機がいちばん活躍しそうな時期を逃したことも、ビジネス的にはかなりの痛手でしたね。

(c) 2012 Sony Computer Entertainment Inc. All Rights Reserved.

河野 確かに、日本人選手大活躍の話を聞くたびに、「あ~『ナスネ』で見たかったなあ…」と残念に思ったことは事実です。夏は年末商戦の仕込みで忙しい時期なので、私はロンドンオリンピックをライブで見ている時間はなかなかとれませんでしたが、衛星放送だけでなく地上波デジタルでも結構放映されていましたよね。ですので、「トルネ」をご活用いただけていたらありがたいなと思います。

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石島照代 [ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

 


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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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