1970年代から大脳生理学を利用した科学的なメンタルトレーニングの研究を始め、現在ではビジネス、スポーツ、教育など多くの分野に門下生を持ち、多数の成功者を輩出している西田文郎氏。
今回は新刊の「その気の法則―ツキを引き寄せる最強の方法」より内容を一部編集、抜粋し、どうすれば、相手や自分を「その気」にさせて成功できるのか、その秘訣をご紹介します。
「叱る技術」を持つと、人はついてくる!
従業員をかかえる経営者、部下をかかえる上司など、上に立つ者に身につけてほしいのが「叱る技術」です。
特に近頃はパワハラだ、セクハラだとすぐに騒ぎ立てる風潮があるからかもしれませんが、部下を叱れないのは、相手を「その気」にさせる力がないからです。上司は部下を信頼しているからこそ叱ります。改善すべき点を指摘しなければ、部下はスキルアップしていきません。
ましてや経営者ならば、生産性の上がらない従業員に「何をやっているんだ」と叱りながらでも、仕事に責任をもって働いてもらわなければ会社は潰れてしまいます。
ただし、怒るのと叱るのは違います。叱る技術は、自己開示のテクニックのひとつです。叱る技術があるというのは、部下は叱られても「この人についていきたい」と思うような存在になるという意味です。
その技術がないと、いくら上司が部下のことを思って叱っても、部下は上司に怒られたと、不満をつのらせるばかりです。怒るのと叱るのは違います。誠意をもって的確に叱れば部下はついてきてくれる。叱るのにもコントロールは必要なのです。
叱っても、好印象を残す
脳のしくみを知った伝え方
自己開示のテクニックはまた別の機会に譲りますが、今回は誰でも覚えておけばトクをする脳のしくみを知った「叱る」と「褒める」をコントロールする技術をお伝えしましょう。
脳内の感情というのは、「快」と「不快」の間で行ったり来たりしています。このことを頭に入れて、「叱る」と「褒める」順を意識してみましょう。すると、驚くほど、コミュニケーションが上手くいきます。
いちばん効果的なのは、叱ったあとに褒めてあげることです。