とはいえ、少なくとも石原氏個人は選挙に強いし、政治家として圧倒的な知名度と意見の発信力を持っている。

 また、目下の世論調査では、民主党に対する支持は極度に低迷する一方、自民党に対する支持も圧倒的な勢いがあるとは言いがたい。10月29日に発表された日本経済新聞とテレビ東京による世論調査では、民主党支持が16%(前回調査比-3%)、自民党支持が32%(前回調査比-5%)だ。

 この調査では、特に自民党が、「次の首相選び」として大いに話題になった総裁選と安倍晋三新総裁就任の勢いを、十分維持して生かせていないことが注目される。

 政治的文脈において、石原新党が一定の影響力を発揮する可能性はゼロではない。

国家のリーダーたり得るか?
政治家としての石原慎太郎

 いささか飛躍した想像になるが、石原慎太郎氏がたとえば首相として、国家のリーダーたり得る人材であるかどうかについては、これまでの東京都知事としての都政の実績ですでに答えが出ている。

 彼には、情報発信力はあっても、行政に必要な実務能力やマネジメント能力が欠けている。彼が一国のリーダーとなって、体制を変革することなど全く無理だ。

 新銀行東京は、そもそも金融の常識を解さないビジネス・モデルでスタートして経営が悪化し、都がこれまでに投入した1400億円に及ぶ公的資金で大きな損失が発生しかねない情勢だ。

 新銀行東京ほどではないが、オリンピックの東京招致にはこれまで大金をつぎ込みながら、はかばかしい効果を上げていない。

 加えて、築地市場の移転問題では、移転予定地の土壌から有害物質が検出され、移転する場合に土壌改良に予定外の時間と予算を喰うことが確実であり、また移転の是非そのものが議論を呼んでいる。