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デジタル流行通信 戸田覚

「電力線インターネット」は、いよいよ普及モードに入るのか

戸田 覚 [ビジネス書作家]
【第25回】 2008年4月28日
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パナソニックから新登場した名刺サイズの小型PLC
パナソニックから新登場した名刺サイズの小型PLC。コンセントに差し込んで、とても簡単に使える。

 「電力線インターネット」というキーワードを聞き慣れない方もいらっしゃるかも知れないが、これは、PLC(Power Line Communications)のことだ。

 現在、LANでパソコン同士をつなぐときには、LANケーブルを利用するのが一般的だ。もちろん、無線でデータをやり取りする「無線LAN」も普及している。PLCは、このLANケーブルの役割を電力線に持たせてしまおうという仕組みだ。

 PLCを使うと便利なのが、まず宅内配線工事を気にする必要がなくなること。すでに建物の中に敷設されている電力線を利用すれば、データをやり取りできるのだ。そのための機器がPLCアダプターと呼ばれる製品で、すでに去年から市販されている。一時は品切れになったほどの人気商品だ。

 PLCに最も力を入れている2社の1つであるパナソニックからは、この春、第2世代とも呼べる新製品が登場した。名刺サイズで厚みも3センチ程度だ。このアダプターを介することで電力線がLANに利用できる。

 例えば、1階にインターネットの回線が来ているとしよう。ルーターなどから伸びているLANケーブルをPLCの親機につないでコンセントに差し込めば、川上側の準備は完了。川下になる2階では、PCLの子機をコンセントにつないで、パソコンとLANケーブルを接続すればOK。とても簡単で、LANケーブルの一部を電力線が担っているだけのことだ。

 新モデルの高速通信を期待してテストしてみたところ、同じ部屋の中では10Mbps程度で、離れた部屋では3~4Mbpsほどだった。もちろん、これはあくまでも僕個人のテストであり、もっと良い結果が出るケースもあれば、最悪の場合つながらないケースもあり得る。携帯電話の充電器などのノイズが邪魔をしたり、実は見えない部分で電力線の配線が一般的ではないつながり方をしている可能性もあるからだ。

速さを求めるのは良い結果に結びつかないかも

組み込み用のPLCモジュール
組み込み用のPLCモジュール。どんどんダウンサイジングされ、近い将来、電気製品に組み込んでも気づかなくなるかもしれない。

 日本のインターネット環境は刻々と進化しており、先日はついに光回線の利用者がDSL回線を上回ったと発表された。50Mbpsを超える高速な回線が家まで来ているユーザーも多いのだ。こうなると、PLCの速度が気になって仕方がないだろう。僕もせっかく家に高速回線が来ているなら、少しでも速度を落とすことなく使いたいと思う。

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戸田 覚[ビジネス書作家]

1963年東京生まれ。ビジネス書作家、コンサルタント。株式会社アバンギャルド、有限会社戸田覚事務所代表取締役。ハイテク、パソコン、成功する営業のコツ、新商品開発、新事業開発といったテーマを中心に、執筆、出版プロデュース、講演、コンサルティングに携わる。ビジネス誌、パソコン誌、情報関連雑誌をはじめとして多数の連載を抱える。
著書に『あのヒット商品のナマ企画書が見たい!』『プレゼンの極意を盗め!』(以上、ダイヤモンド社)、『すごい人のすごい企画書』(PHP研究所)、『仕事で使える!クラウド超入門』(青春出版社)、『LinkedIn人脈活用術』(東洋経済新報社)など多数がある。
著者ブログ:http://www.toda-j.com/weblog/
株式会社アバンギャルドHP:http://www.avant-garde.jp/


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