
デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。足元ではトランプ関税も、企業にとって大きな試練となりそうだ。本連載では、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する。今回はソニーグループ、パナソニック ホールディングス、シャープの「総合電機」業界3社について見ていこう。(ダイヤモンド・ライフ編集部 笠原里穂)
ソニー、パナ、シャープ
四半期増収率はいずれもマイナス
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の総合電機業界3社。対象期間は2025年1~3月期の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・ソニーグループ
増収率:マイナス24.4%(四半期の売上高及び金融ビジネス収入2兆6302億円)
・パナソニック ホールディングス(HD)
増収率:マイナス6.5%(四半期の売上高2兆543億円)
・シャープ
増収率:マイナス9.9%(四半期の売上高5022億円)
総合電機業界の主要3社はいずれも前年同期比で減収だった。中でもソニーグループは2割超のマイナスとなっている。
今回対象となった25年1~3月期は、3社の25年3月期第4四半期に当たる。各社の25年3月期通期の業績はどうだったのか。
ソニーグループは減収増益だ。25年3月期の純利益は1兆1416億円(同17.6%増)で、過去最高益となった。パナソニックHDは減収。営業利益は増益だったが、純利益は減益となった。決算発表のタイミングで、約1万人の人員削減の方針を明かしたことが大きく報じられた。シャープも減収だ。営業利益、純利益について、前期は赤字だったが、25年3月期は黒字となった。
次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、“三社三様”となった25年3月期決算の詳細を見ていこう。