中国語の知識ゼロで、中国語で中国の情報を収集しよう。これが、この連載でこれから提案することだ。

「そんなことができるはずはない」とお考えの方が多いだろう。そして、「外国語は、長い時間をかけて勉強して、初めて使えるようになるものだ。勉強せずに使えるはずはない。何の準備もなしに使えるなど、眉唾もいいところだ」と反論されるだろう。

 確かに、普通はそうである。事実、私は数年前からロシア語を勉強しているのだが、ロシア語の文献など、いまだにまったく読めない。

日本人は予備知識なしに
中国語を読める

 しかし、中国語に関しては、事情が異なるのだ。

 もちろん、中国語の場合も、これから中国に赴任して中国人相手にビジネスをしようとか、中国の大学に留学しようという場合には、本格的な中国語の勉強が不可欠だ。

 しかし、目的いかんでは、さほどの勉強なしに中国語を使える。

 日本にいて、中国の文献や統計を読む場合がそれに当たる。つまり、話したり聞いたりするのでなく、「読むだけ」の場合である。この場合には、以下に述べる方法で、格別の努力なしに中国語を使える。そして、文献や統計を読むだけで、多大の成果を挙げることができるのである。

 例えば、統計を考えてみよう。中国の場合も、主要な情報はアラビア数字で表記されている。だから、何の苦労もなく読める。

 これは当然至極のことであり、しかも、中国の統計に限ったことではない。どこの国の統計でも同じだ。しかし、中国の場合は、国名や年月や単位なども読めてしまう。例えば、日本は「日本」、中国は「中国」と表記されている。後で述べるように、その他の国名も、予備知識なしでかなり読める。最初は読めなくても、一度覚えれば忘れない。