斎藤顕一の営業プロフェッショナル養成講座
【第6回】 2012年11月30日
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斎藤顕一  [ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授、同大学院経営学研究科教授]

KPIの設定:
業績向上に直結する指標を見つけるには? [本質的問題解決Q&A]

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Step2◆業績向上に直結するKPIか?

 最後に、質問者の考えている歩留率について検証してみましょう。提案・見積・受注をベースに考えているようですね。つまり、提案に対する見積獲得率と、見積に対してどれぐらい受注したかを示す受注率の2つがありそうです。これらの数値は自分でコントロールできますし、業績向上に直結する指標です。

 まず見積獲得率は、提案書の質や営業のプレゼンテーションスキルの良し悪しで決まります。「提案する」という表現は当たり前のように使われますが、これはけっして「こちらが売り込みたい製品をどのように訴求すればよいか」ということではありません。提案とは、顧客に正しく質問することで、満たされていないニーズを聞き出し、そのニーズを満たす方法のことです。顧客のニーズを理解したうえで質の高い提案書をたくさん作成すれば、見積獲得件数も増えるはず。ですから、見積獲得率は非常に重要な指標になります。

 一方、見積に対する受注割合ですが、その決め手は何でしょう? 見積書には、通常、取引条件や価格などが記載されますが、そこにお得感を感じさせる提案をしていれば受注が決まるはず。自社の営業収益に関する理解度や顧客に対する感度のほか、ここでも提案書の質が大きく影響してきます。

 つまり、質問者が提案しようとしている歩留率はいずれも重要指標です。では、ほかに重要な項目はないでしょうか?

 先述のように、提案書は顧客のニーズを理解して作成するものですが、接触するすべての顧客に対して提案書を作成するわけではありません。営業活動のスタートが、顧客のニーズの理解である以上、まず必要なのは、最初に訪問すべき重要顧客を決定しておくことです。それが、提案書を作成した次のステップ、プレゼンテーションに進む近道です。

 信頼を得ている既存顧客の場合、面会してニーズを聞き出したり、プレゼンしたりすることは比較的簡単ですが、新規顧客になるとそう簡単にはいきません。すでに競争相手が参入しているからです。したがって、これらの指標は既存顧客と新規顧客で分けて考えたほうがよいかもしれません。

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斎藤顕一 [株式会社フォアサイト・アンド・カンパニー代表取締役]
[ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授、同大学院経営学研究科教授]

マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社、パートナー、大阪支社副支社長を務め、1996年にフォアサイト・アンド・カンパニーを創業、現在に至る。経営コンサルティングに加えて問題解決のスキル研修を数多く手がけ、企業の業績向上に大きな成果を上げてきた。大前研一氏が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学において、経営学部および大学院経営学研究科教授。これまでBBTオープンカレッジ、学部、大学院の生徒や企業研修の生徒を合わせて、2万人以上の人たちに問題解決の考え方や実践の仕方、また成果実現の方法を教える。大前研一氏との共著に『実戦! 問題解決法』(小学館)、『大前研一と考える「営業」学』(ダイヤモンド社)がある。単著に『[新版]問題解決の実学』(ダイヤモンド社)がある。

 


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「営業の達人」のスキルは努力の賜物であり一朝一夕に身につくものではありません。でも実は、日々の営業活動のなかに、これを習得する近道があります。困っていること、わからないこと、迷っていること等々は「営業目標を達成するために最も重要な成功の鍵」です。これらの問題を「発見」し、「解決」することで、営業プロフェッショナルとしてのスキルが培われます。

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