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「引きこもり」するオトナたち

やっと採用されたと思ったら“ブラック企業”だった
バカ正直、口下手な人が損をする日本の就活事情

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第131回】

 当連載の記事「一度レールを外れるとバイトにすら就けない!高学歴ワーキングプアの抜け出せない苦しい現実」「大学までは順調なのに働くことにつまずく“大卒無業者”になる人の共通点」などに対して、毎日のように筆者の元へ感想や体験談が寄せられてくる。

ウソをつけない、上手く話せない…
やっと内定が出た企業でうつ病に

<私自身も、大学を卒業するまでは順調だったのに、働くことにつまずきました>

 こう明かすのは、中部地方に住む20代後半の男性Aさん。いまは、家族経営の零細企業で、身内とともに働いている。

<就職活動では、真面目以上にバカ正直に受け答えしてしまい、思うようにいきませんでした。ガツガツするのは苦手で、自己表現をうまくできない日々。友人も限られていたので、情報共有もほとんどしませんでした>

 引きこもる人たちと話をしていて、いつも感じることは、性格がお人好しで「ウソをつけない」タイプの人が多いということだ。

 もちろん、正直者であるほうが“すばらしい”に決まっている。しかし、現実の世の中の仕組みは、“バカ正直”なだけでは上手く世渡りができない。また、話したいことは溢れるほどあるのに、それを上手く言葉で表現することが、本当に苦手なのである。

 見渡してみれば、ガツガツと他人を押しのけてでも自分を上手く売り込めるタイプの人が、出世していったり、いいポジションに就いたりしている。自分も似たような傾向があるので、「ウソをつけない」「上手く表現できない」といったつらさは、痛いほどよくわかる。

 Aさんは、4回生の9月になって、ようやく内定が出て、大学卒業後、その会社に就職した。ところが、そこは、いわゆる「ブラック企業」だったという。

<経営トップの怒号に怯え、パワハラを受ける日々。そんな状況を周囲や友人に伝えても、なかなか理解されず苦しみました>

 入社して半年ほど経った頃、Aさんは、朝、起き上がれなくなった。

 精神科で診てもらうと、「うつ病」と診断された。また、「広汎性発達障害」も、「うつ病の一因」であると説明を受けたという。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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