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トップ営業マンの説得術

相手に「ノー」と言わせない質問をする

テクニック5:「ノー」という選択肢を与えない「選択肢限定法」

榊 博文 [慶応義塾大学文学部教授/社会学博士]
【最終回】 2008年8月18日
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営業において、説得力・交渉力は不可欠なもの。これまでは自己流で身体で学ぶというのが主な方法でしたが、説得のメカニズムを「科学」しておけば、誰でも効果的に説得力を身につけられるのです。

 今回は、トップ営業マンたちが実践しているテクニック5つ目「選択肢限定法」について、ご紹介します。

初めから相手に「ノー」の
選択肢を与えない

 説得は煎じ詰めれば、相手に「イエスかノー」を突きつけることといってもいいでしょう。しかし、相手は簡単にイエスとは言ってくれません。ところが、必ずイエスの答えが返ってくる方法があるのです。それが選択肢限定法です。お客さまに対しても、「この商品はいかがですか?」と聞くと、答えはイエスかノーで返ってきます。

 「選択肢限定法」は、説得者が相手に「イエスかノー」を聞くのではなく、結果的に承諾を意味する選択肢のみを並べ、相手に「ノー」と言わせないようにして説得する方法です。

 説得者は相手に選択肢を与えますが、その中に「ノー」という選択肢はありません。相手は与えられた選択肢の中から選ばざるを得なくなり、要請に応じやすくなります。

 たとえば、「面会に応じていただけますか?」と聞くよりも「火曜と木曜と金曜のどの日が都合がいいですか?」と聞けば、相手は「ノー」と答えにくくなります。「募金に応じていただけますか?」と聞くよりも「1000円、2000円、5000円、1万円のうち、おいくら寄付していただけますか?」と聞けば、相手は1000円と言うのもケチだと思われるのではないかと考え、2000円か5000円と答える可能性が高くなります。

 このテクニックを使うのは、説得者にとってどの選択肢が選ばれるかということよりも、相手に「イエス」と言わせることが重要な場合です。

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榊 博文 [慶応義塾大学文学部教授/社会学博士]

慶応高校から慶応義塾大学経済学部を経て、慶応義塾大学院社会学研究科博士課程修了。米国スタンフォード大学留学。専門は社会心理学。主として効果的な説得戦略、およびイノベーションの効果的な普及戦略に関する研究に従事。主な著書に『説得と影響―交渉のための社会心理学』『日本列島カルト汚染―説得と勧誘の社会心理学』(いずれもブレーン出版)などがある。


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