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田中秀明の予算の政治経済学入門

諸外国の予算制度改革:
失敗国と成功国は何が違うか

田中秀明 [明治大学公共政策大学院教授]
【第3回】 2012年12月26日
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連載の第2回では、政府部門には、財政赤字を拡大させるメカニズムが内在していると述べたが、それは万国共通の問題である。しかし、全ての国で赤字が大きいかというと、かならずしもそうとは言えない。リーマン・ショック以降、多くの国で財政赤字が拡大しているが、よく見ると、ギリシャやスペインのように財政危機にあえぐ国がある一方で、そうではない国も存在する。それはなぜか。

カギは予算制度改革

 主要先進諸国の一般政府レベルの財政赤字と純金融負債の動向を見よう(表1参照)。一般政府とは、国、地方、そして社会保障基金(年金など)を範囲とするもので、各国の財政状態を比較するための基準である。また、純金融負債とは、国債などの借金の残高から公的年金の積立金などの貯金を控除したものである。

 日本とスウェーデンの純金融負債を見ていただきたい。日本の当該債務は、対国内総生産(GDP)比で100%を超えるが、スウェーデンはマイナス20%である。すなわち、スウェーデンは、一国全体で貯金をしているのだ。スウェーデンは、1990年代前半に、今のギリシャのような経済危機に直面し、財政赤字の削減が喫緊の課題となった。そこで、予算制度を抜本的に改革して、財政規律を高めることに成功した。1990年代は、ギリシャやイタリアなどの国でも財政再建が行われたが、その改革は不十分であった。

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田中秀明[明治大学公共政策大学院教授]

たなか・ひであき
1960年生まれ。1985年、東京工業大学大学院修了(工学修士)後、大蔵省(現財務省)入省。内閣府、外務省、オーストラリア国立大学、一橋大学などを経て、2012年4月から現職。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス修士、政策研究大学院大学博士。専門は予算・会計制度、公共政策・社会保障政策。著書に『財政規律と予算制度改革』(2011年・日本評論社)、『日本の財政』(2013年・中公新書)


田中秀明の予算の政治経済学入門

日本政府の抱える借金は、何とGDPの約2倍に達する。財政再建は待ったなしと、これまでに何度もトライされてきた。だが、いずれもうまくゆかず借金は膨らむばかりだ。なぜ、財政再建はとん挫するのか。財務省出身で、気鋭の財政学者が、予算策定から決算至る予算の一生に分け入り、制度・仕組みの問題点を指摘し、無駄をなくし、効率的な予算を実現するため方策を提言する。

「田中秀明の予算の政治経済学入門」

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