リセッションをDXで生き残る!デジタル投資とプロダクトマネジメントを加速するには危機的状況でこそ、デジタル投資を弱めるべきでない理由とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げをきっかけに、リセッション(景気後退)の懸念が広がっている。マイクロソフトやグーグルでエンジニアとして活躍し、複数の企業で技術顧問を務める及川卓也氏は「危機的状況でこそ、デジタル投資を弱めるべきでない」という。コロナ禍での飲食業におけるデジタル変革(DX)の加速などを例に、その理由について及川氏が解説する。

不安定で困難な時期こそ
必要なIT投資を弱めてはならない

 国際情勢の不安定化が続く中、米国を中心にリセッション(景気後退)の懸念が続いています。景気が悪くなると、企業は人や設備への投資を抑えるようになります。しかし私は、必要なITへの投資やデジタルトランスフォーメーション(DX)への流れは今、途切れさせるべきではないと考えています。

 新型コロナウイルス感染拡大の最初の頃も、経済が一時ストップするような状況の中で苦戦を強いられた企業も多かったことと思います。しかしこの危機をバネに、うまくDXを加速することができた企業も多々ありました。こうした動きを参考に、不安定な局面でもIT投資を絞るべきではない理由について、いくつかの海外記事をもとに説明していきたいと思います。

「ウォール・ストリート・ジャーナル」の6月24日(日本時間)の記事では、米国で景気後退への懸念が高まる中でも、各社のCIO(最高情報責任者)らが技術予算を確保しようとしていると伝えています。

 その理由のひとつが、COVID-19の大流行とクラウドコンピューティングの台頭が、エンタープライズテクノロジーとDXの重要性を明らかにしたことでした。また、厳しい環境の市場で優位に立つためには、顧客体験を向上させるテクノロジーが重要であると経営陣たち、アナリストたちは考えているようです。

 この連載の前回記事『電気の解約手続きで唖然、省力化のツケを顧客に負わせる企業の深い課題』でも述べましたが、顧客体験を向上させることの意義はかつてなく高まっています。リセッションの懸念があっても、そこへ投資をしていくことを決断している米国企業は多いようです。