台湾有事の現実味
日本も他人事ではない

 最後に、もっとモヤモヤすることを言ってしまうと、日本にとっても同盟国にとっても台湾有事が切迫しはじめています。法律論議もさることながら、わが国の判断とは関係なく外国の政治家の判断で有事が起こる可能性が現実味を帯びてきました。

 どの軍隊がどこと戦うかはわかりませんが、台湾有事が起きたら日米韓同盟の兵器の能力の方が高いでしょう。キルレシオが高いことで、ウクライナのように侵攻は食い止められるのではないでしょうか。

 しかし兵力自体はこちらが少人数で、攻めてくる向こうの人数が圧倒的に多く何十万人単位で押し寄せてくる。それでも前述したウクライナのように戦局は兵器の能力差で決まるので、海から上陸した一般兵士がつぎつぎと最新兵器の洗礼をうけて倒れていく様子をわれわれは目にするかもしれません。

 しかも、もしそれが徴兵されたウイグル人兵士だったとしたら、われわれはこの問題をどう考えたらいいのでしょうね。

 ロシアの予備役招集と韓国のBTSの兵役の話は、それぞれ日本とは違う事情を持つ遠い隣国の世界のニュースです。それでも、その意味するところをモヤモヤ抜きにきちんと考えた方がいいようです。

 一般のビジネスパーソンが兵士として徴収され、装備や状況によってはそこでキャリアも終わることがあっちの世界では現実なのです。何だか世界はどんどんカオスになっているとは思いませんか。