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「引きこもり」するオトナたち

「離婚した専業主婦」は引きこもりと変わらない!?
バツ1女性と538社落ちた男性が結婚するまでの苦闘

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第138回】

 世の中の状況は、まだバブルの余韻が残っていた90年代を境に、ガラリと変わってしまった。いや、実は本質は何も変わったわけではなく、解決を先延ばしにされて地域の中に埋もれてきた“この国の課題”が露見してきただけなのかもしれない。

 「引きこもり」の問題も、その1つだろう。

 これだけ長期化、高年齢化した数多くの引きこもり状態の人たちを目の当たりにして、もはや社会的背景を語ることなく、いまでも「引きこもりは青少年の身に起こる思春期特有の問題」などと信じる人はいない。それなのに、この国は「子ども・若者育成」というくくりの唯一の法律のもと、いまも“本人”に向かって、実態とかけ離れた「対策」を練っている。

 1月10日に「息子の就職失敗で引きこもりになった母親」の記事を公開したところ、その日のうちから、たくさんのメールが寄せられた。そのほとんどが、同じ主婦の立場で引きこもってしまっている方々からのものである。

 そんな中から、今回紹介したいと思ったのは、一生懸命立ち直ろうと頑張っても、引きこもらざるを得ないような状況に引き戻されていく現実を象徴するような、30代の主婦A子さんの話だ。

海外暮らしに耐えられず前夫と離婚
正社員の職を探すが…

 <記事を拝読しまして、いても立ってもいられず、メールを書き始めました>

 そんな書き出しで、A子さんの文面は始まる。

 2009年、A子さんは四国のある街で、いまの夫と出会った。

 夫は、この街で就職活動した1年半の間、ハローワークを通じて538社に応募し続けたものの、ついに採用されることはなかった。

 いまは夫と四国を出て、首都圏の郊外に住むA子さんに会った。

 A子さん自身も、前の夫が赴任した海外で、引きこもり状態にあったという。

 慣れない英語。狭い日本人社会。でも、家にいれば傷つくこともない。

 「刺激のない状態が、そのときは必要だったんです」

 やがて海外での生活に耐えられなくなって、前の夫と離婚し、日本に戻ってきた。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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