「失われた30年」は正しくない!日本経済の未来は“明るい”と断言できる2つの理由写真はイメージです Photo:PIXTA

今後の日本経済と市場の先行きは
明るい

 最近、日本の株式市場は好調である。日経平均は年初から見ると終値で6821円(6月27日時点)、率にすると約27%と大きく上昇している。この背景として一般的には次の3点が挙げられている。

(1)外国人による日本株買いの増加
 今年の3月末以降、直近の6月第2週まで連続して12週間の買い越し、その金額は6兆2000億円あまりとなっている。アベノミクスが始まった頃以来、ほぼ10年ぶりの買い越しである。

(2)バフェット効果
 今年4月に著名な投資家ウォーレン・バフェットが12年ぶりに来日し、「今後も商社株をはじめ、積極的に日本株への投資を拡大する」と発言し、国内外の投資家に大きな影響を与えた。

(3)東証が出した改善勧告
 3月末に東証が、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業に対して改善策を開示・実行するよう要請した。これは日本企業の資本効率や収益性、株価の低さにメスを入れるものとされ、今後の株価改善が期待されている。

 このように、「株価上昇」という現象だけについて言えば、これらの出来事がきっかけになったのは間違いないだろうが、大事なことはこうした短期的な株価の動きではない。

 短期的にはこれからいくらでも株価が下落する場面に遭遇するだろうが、大事なのはここから10年、20年というスパンで考える今後の日本経済と市場の先行きである。それについて筆者は、非常に楽観的に考えている。なぜ、そう考えるのかを述べてみたい。