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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

いつの間にか時代はモダン(近代合理主義)から
ポストモダンへと移行した

上田惇生
【第323回】 2013年3月4日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
1890円(税込)

 「今日にいたるも、モダン(近代合理主義)は、政治から科学にいたる諸々のものに言葉を与えつづけている。しかし、政治、理念、心情、理論にかかわるモダンのスローガンは、もはや対立の種とはなっても行動のための絆とはならない。われわれの行動自体すでにモダンではなく、ポストモダン(脱近代合理主義)の現実によって評価されるにいたっている。にもかかわらず、われわれはこの新しい現実についての理論、コンセプト、スローガン、知識を持ち合わせていない」(『テクノロジストの条件』)

 暗黒の中世にあって、一つの真理を得るならば、論理の力によって、もう一つの真理を得られるはずと考えた幾何学者がいた。とするならば、さらにそこから、もう一つの真理を得る。こうしてやがて、森羅万象、神の存在まで論理の力によって明らかにすることができるとした。

 しかしその起点が、悪魔に魅せられたうえでの幻であったのでは、せっかくの論理も砂上の楼閣となる。こうしてデカルトが、これだけは間違いあるまいと起点にしたものが、「我思う。ゆえに我あり」だった。あれやこれやと考えている自分が、ここにこうして存在していることは間違いあるまい。

 こうして、論理の力によってすべてを明らかにできるはずとするモダン、すなわち近代合理主義が始まった。そこから、技能の技術化が行なわれ、科学の進歩があり、産業の発展があった。

 だがいつの間にか、そのモダンが終わった。ドラッカーがこれに気づき警告を発したのが、1950年代のことだった。

 言葉はモダンのものが通用している。しかし、現実はモダンではない。論理では、解決どころか説明もできない問題が次から次へと出てきた。論理で因果を追ったのでは行動を誤る。われわれは、すべてのものを、命あるもの、形態として知覚しなければならない。

 「われわれはデカルトの世界観を棄てた。事実われわれにとって、それは、ほとんど理解不能なものとなった。だがわれわれは、今のところ、新しい体系、方法論、公理を手にしたわけではない。われわれのためのデカルトは、まだ現れていない。その結果、今日ではあらゆる体系が、知的のみならず美的な危機に直面している」(『テクノロジストの条件』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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