歴史上の人物が崖っぷちに立たされたとき、どのように心が動いたのか? 他の選択肢はなかったのか? 自分だったらどうするだろうか? そんなことを考えながら本を読んだり、ドラマを見ると、臨場感を持って楽しむことができます。自分の仕事や人生で役に立つヒントが見つかるかもしれません。

 世界史と違って日本史は、国内のいたるところに史跡があるので、簡単に見に行くことができるのも楽しいものです。

 京都の二条城に行くと、「ここであの大政奉還が行われたのか……」と、しみじみと当時の様子を想像してしまいます。紫式部の墓をはじめて見に行ったときはこんもり土が盛られていて、「ここにあの紫式部が……」と、『源氏物語』を読んできた身としては非常に大きな感慨を覚えたものです。

 歴史上の人物は、遠い世界の人だと思っている人もいるかもしれませんが、実際に史跡を訪ねて、見て触れて感じてみると、決してそんなことはありません。ですから、もし興味を持った歴史上の人物や出来事があれば、旅行気分でその史跡に足を運んでみるとまた違った学びがあると思います。

「政治経済」のきほんを押さえる

 政治について語り、経済について語れることは、大人の素養です。教養というほどのものでもなく、政治経済で成り立っている社会の一員として当たり前に知っておくべきことなのです。

 ところが、学生時代に学んだままそれっきりになっている人が多い。学生時代に勉強したことを忘れてしまって、政治経済のからくりを知らないまま社会人として生きている人もいるのではないでしょうか。

 お金の問題も、生活の問題も、すべて政治経済を抜きに考えることはできませんが、あまりにも無関心な人が多いように感じます。

 政治経済の学問には、現代社会を知る手がかりがたくさん詰まっています。逆に言うと、現代社会の仕組みや成り立ちを理解するためには、政治経済を学ばなければなりません。

 現代社会は、あなたが今生きている社会のことですから、政治経済を学べば学ぶほど、日々の仕事や生活に生かすことができるということです。

「毎日、真面目に働いているのに、なぜいつまで経っても楽になれないんだろう?」
「お金持ちはどんどん豊かになって、貧乏人はますます貧しくなるって理不尽」
「新型コロナウイルスの影響で社会が混乱したときの政府の対策は、まったく当てにならなかった」

 こんな疑問や不満は、どんな人にも多少なりともあるはずです。それこそが政治経済に直結する問題。別に難しく考えることはありません。