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新たな投資優遇税制は得か、損か?
「日本版ISA」の最適な運用方法

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第271回】 2013年3月6日
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2014年1月から導入される公算が大?
新たな投資優遇税制「日本版ISA」とは

 まだ国会を通過したわけではないので「本決まり」ではないが、2014年1月から通称「日本版ISA」が導入される公算が大きい。

 日本版ISAは、個人の資産形成のための投資を優遇する税制を含む制度で、これまで本則の20%から10%に軽減されていた株式などへの投資優遇税制が廃止されることに伴って、新たな投資優遇税制として導入が予定されているものだ。

 金融機関に専用の口座を開設し(2014年から10年間可能)、1年に100万円までの金額(手数料を除く)に対する運用益への課税が5年間免除されて、目下の予定されている制度設計では、これを一度だけもう5年間、年間100万円を上限に繰り越し可能にすることが可能となる予定だ。フルに利用した場合に「500万円の金額を10年間」運用益非課税で運用を行うことができる制度と言える。

 投資金額が大きい投資家にとっては、日本版ISAで新たに得られるメリットよりも、これまで優遇税率だった株式や株式投信に対する税率が本則の20%に引き上げられることのデメリットの方が大きいだろう。また、現時点では、日本版ISAは恒久的な制度ではなく、2014年1月から10年間限定の一時的な制度だ。

 また、長期投資を想定しているため、日本版ISAで購入した金融商品を途中で売却すると、運用益への非課税はそこで終了となり、入れ替えで購入した金融商品の運用益は非課税にならない設計だ。

 つまり、日本版ISAの資産を途中で売却すると、その分だけ非課税優遇枠が縮小するのだ。この点は、日本版ISAでの運用を考える際のポイントになる。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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