痩せられない人の特徴とは

 不摂生をしていても、健康診断でオールAをもらえるのは30代まで。40代や50代になると健康診断の結果にBやCの文字、あるいは、要指導、要再検査などの文字が散見されるようになり、そのときになってようやく自身の健康問題と正面から向き合うようになっていく方がほとんどです。

 僕の鍼灸院にやってくる方も、30代までは見た目をよくしたいなど美容目的でダイエットに取り組む方が圧倒的に多いのですが、40代以降になると、健康上の理由からダイエットに取り組む方も増えていきます。

 患者さんと話をする中で、

「医者に痩せなさいと言われてるんだけど、どれも続かなくて」
「糖尿予備軍と言われたんだけど、何をしても効果が出ない」

 そんな声をよく聞きます。

 医者は「健康のために痩せてね」とは言うけれど、肝心の痩せ方を教えてくれないことが多いため、多くの人が“簡単に痩せられる”情報を求めてさまよっているうちに何が本当にいいのかわからなくなってしまい、ダイエット難民になっているように感じます。

 長期的な視点を持って体を根本から変えていこうと考える人は少なく、とにかく痩せさえすればすべてうまくいく、健康になると信じてすぐに効果が出そうな方法を片っ端から試していくうちに、体のバランスをどんどん崩し、健康からより遠ざかってしまう人が少なくないという印象です。

 健康のために痩せようと思って努力してきたのに、かえって不健康になってしまう、こんなに悲しいことはありません。

 僕はよく患者さんに、

「自分の健康は、自分の管理下に置いておけるようにしましょう」

 と声をかけます。「あれが効きそう」「これがいいらしい」などとたくさんの情報に触れることは決して悪いことではありません。飲むだけ、つけるだけで痩せると聞いたら、誰だって試したくなるものです。