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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

人事の打率は10割にまで上げられる

上田惇生
【第89回】 2008年9月9日
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チェンジ・リーダーの条件
ダイヤモンド社刊
1800円(税別)

 「もっとも稀少な資源が人材である」(『チェンジ・リーダーの条件』)

 企業が富を創出するには、明確な目的意識の下に的確な人員の配置を行なうことが不可欠である。だがそのためには、人事の結果を記録し、一つひとつ検証していかなければならない。

 人事は、マネジメントがどの程度有能か、どのような価値観を持っているか、仕事にどれだけ真剣に取り組んでいるかを白日の下にさらす。人事とその基準、さらにはその動機まで、いかに隠そうとしても知られる。それは際立って明らかである。

 人は、他の者がどのように報われるかを見て、自らの態度と行動を決める。仕事よりも追従のうまい者が昇進するのであれば、組織そのものが、業績の上がらない追従の世界となる。

 公正な人事のために全力を尽くさないトップマネジメントは、組織の業績を損なうリスクを冒しているだけではない。組織そのものへの敬意を損なう危険を冒している。

 マネジメントは、人事に時間を取られる。そうでなければならない。人事ほど長く影響し、かつ元に戻すことの難しいものはないからである。ところが昇進、異動のいずれにせよ、実態はまったくお粗末である。

 だがドラッカーは、我慢してはならないと言う。

 「人事に完全無欠はありえないが、限りなく10割に近づけることはできる。人事こそもっともよく知られた分野だからである」(『チェンジ・リーダーの条件』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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