その年度の国民健康保険料から
産前産後の4カ月分が免除される

 コロナ禍の影響もあり、2022年に生まれた子どもの数(出生数)は約77万人で、国が統計を取り始めて以来、初の80万人割れとなった。

 想定を上回るペースで進む少子化を少しでも食い止めるために、昨年(2023年)1月の年頭記者会見で、岸田文雄首相は「異次元の少子化対策に挑戦する」ことを表明。6月に「こども未来戦略方針」を閣議決定し、2024年からの3年間で集中的に「こども・子育て政策」に取り組むことになったのだ。

 国民健康保険の産前産後の保険料免除制度は、この少子化対策の一環で、2023年5月に成立した「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律(改正健康保険法)」で、実施が決定した。免除にかかる費用を、国が2分の1、都道府県が4分の1、市町村が4分の1ずつ負担することで、産前産後期間の保険料を免除することになった。

 自営業者やフリーランスの人などが加入する国の保険制度で、国民年金保険については、2019年から妊産婦の産前産後の保険料免除がすでに行われている。今回は、これに合わせる形で、国民健康保険料も免除するための法改正が行われており、制度内容は次の通りだ。

【国民健康保険料の産前産後免除制度】

(1)対象者
・国民健康保険の加入者で、2023年11月1日以降に出産予定(または出産した)の妊産婦 
・妊娠85日(4カ月)以上の出産が対象。妊娠期間が4カ月以上なら、死産、流産、早産、人工中絶の場合でも対象になる

(2)保険料の免除対象期間
・出産予定月(または出産月)の前月~出産予定月(または出産月)の翌々月までの4カ月
・多胎児の場合は、出産予定月(または出産月)の3カ月前~出産予定月(または出産月)の翌々月までの6カ月

(3)免除対象の保険料
・国民健康保険料の中で、産前産後期間の所得割と均等割の部分

 たとえば、今年4月に出産予定の人は、3月~6月までの4カ月分が免除の対象期間になる。多胎妊娠をしている場合は、1月~6月までの6カ月分だ。

 対象になるのは2024年1月以降なので、それ以前の保険料については対象にならない。たとえば、出産月が2023年11月だった場合は、免除対象になるのは2024年1月分のみだ。出産月が2023年12月の場合は、2024年1月分と2月分の保険料が免除対象になる。

 産前産後の免除制度は、その年度に納める国民健康保険料の中で、産前産後期間相当分(最大4カ月分、多胎児は最大6カ月分)の所得割と均等割の部分が減額されるという仕組みだ。産前産後期間の保険料がゼロになるわけではないので、その点は注意が必要だ。

 また、免除されるのは、保険料のうちの「所得割」と「均等割」の部分なので、住んでいる地域によっては、産前産後期間の保険料のすべてが免除の対象にならないこともある。

 これは、国民健康保険料を計算する仕組みが関係している。