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森信茂樹の目覚めよ!納税者

「教育資金贈与税非課税措置」の導入は
相続税引き上げとのバーター措置!?

森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]
【第46回】 2013年3月27日
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 この4月から税制改正により導入される予定の、「教育資金の一括贈与に対する贈与税の非課税措置」が盛り上がっている。

子・孫ごとに
1人1500万円まで非課税

 3月18日付の日経新聞によると、「大手信託各行は祖父母の孫に対する教育資金の贈与が非課税となる4月の税制改正に合わせ、相談業務にあたるコンサルタントを増員するなどして営業体制を強化」している。

 「教育資金の贈与に利用できる新たな信託商品(教育資金贈与信託)をテコに、相続に関心を持つ中高年の富裕層顧客を開拓するのが狙い」で、「信託銀以外の金融機関にも参入の動きがあり、顧客の争奪戦は一段と激化しそうだ」とある。

 制度の概要を説明すると以下のとおりである。

 祖父母(贈与者)は、金融機関に子・孫(受贈者)名義の口座等を開設し、教育資金を一括して拠出する。この資金については、子・孫ごとに1500万円を非課税とする。3人の孫がいれば、祖父母は4500万円までを非課税で贈与できることになるが、孫一人については1500万円までが上限である。したがって、父方、母方の祖父母からそれぞれ1500万円づつ合計3000万円ということにはならない。

 教育費の範囲は、入学金、授業料、塾、習い事などで、具体的範囲は、文部科学大臣が決定する。塾や習い事など学校以外の者に支払われるものについては、500万円を限度とする。

 教育資金の使途は、金融機関が領収書等をチェックし、書類を保管する。 孫等が30歳に達する日に口座等は終了する。

 平成25(2013)年4月1日から平成27年12月31日までの3年間の措置である。

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森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]

(もりのぶ しげき)法学博士。東京財団上席研究員、政府税制調査会専門家委員会特別委員。1973年京都大学法学部卒業後、大蔵省入省、主税局総務課長、東京税関長、2004年プリンストン大学で教鞭をとり、財務省財務総合研究所長を最後に退官。その間大阪大学教授、東京大学客員教授。主な著書に、『日本の税制 何が問題か』(岩波書店)『どうなる?どうする!共通番号』(共著、日本経済新聞出版社)『給付つき税額控除』(共著、中央経済社)『抜本的税制改革と消費税』(大蔵財務協会)『日本が生まれ変わる税制改革』(中公新書)など。
 

 


森信茂樹の目覚めよ!納税者

税と社会保障の一体改革は、政治の大テーマとなりつつある。そもそも税・社会保障の形は、国のかたちそのものである。財務省出身で税理論、実務ともに知り抜いた筆者が、独自の視点で、財政、税制、それに関わる政治の動きを、批判的・建設的に評論し、政策提言を行う。

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