倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング#37Photo:amtitus/gettyimages

メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか?ダイヤモンド編集部の独自調査を初公開。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#37では、第14弾として、埼玉県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

埼玉県でメイン先企業を最も倒産させてきた銀行は?
埼玉りそな、武蔵野銀行が倒産させた企業は何社?

 日本銀行が3月19日にマイナス金利政策の解除を決定した。今後、家計には恩恵と負担の両方が生じる。預金金利が引き上げられる一方、住宅ローン金利の上昇も必至だからだ。

 埼玉県内最大の地方銀行、埼玉りそな銀行は、この状況を見越すような動きを昨年12月に見せていた。金利上昇に備え、個人の暮らしに関する相談に対応する専門の窓口を設置したのだ。

 個人顧客の相談支援は「くらしコンシェルジュ」という名称でスタート。各店舗のロビー周辺と本店に、計200人の担当行員を待機させる。コンシェルジュとして個人顧客の相談に乗れるようにしたのだ。

 17年ぶりとなる日銀の利上げは、家計にも大きな環境変化をもたらす。お金にまつわる悩みを抱える個人は今後増えることだろう。これを奇貨として、個人顧客の取り込みを図ろうとする試みは、他の地銀にも広がっていきそうだ――。

 経営危機に陥った企業が倒産するのか、それともしないのか。その際に重要な鍵を握るのがメインバンクとなる。

 メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。

 今後、倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が厳しくなることは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。

 メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、その結果をまとめた「企業を倒産させた金融機関ランキング」を初公開する。

 第14弾の今回は、埼玉県の金融機関を取り上げる。りそなホールディングス傘下の埼玉りそな銀行、武蔵野銀行のほか、埼玉縣信用金庫などの信用金庫も名を連ねた。

 ちなみに「企業を倒産させた社数が多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融機関の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。

*「メインバンクとして倒産させた社数の合計」は2020年1月~23年11月の合計値で、ダイヤモンド編集部調べによる推計。負債総額1000万円以上、法的整理による倒産が対象。都道府県別の倒産社数の合計は、金融機関の本店所在地ベースで数えた。例えば、東京都に本社を置く企業が倒産してもメインバンクが埼玉県の銀行なら、埼玉県の倒産社数としてカウントしている。主な金融機関の内訳で省略した都市銀行は、東京都が3行、大阪府が1行。政府系金融機関二つと信託銀行1行、その他金融機関(旧長期信用銀行)2行は、いずれも東京都

 ランキングは、これから数十回にわたって配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の埼玉県の結果を確認していこう。