「100社落ちる」は
珍しい話ではなかった

 さて、伊藤議員の「100社もの会社に落ちた1997年…」の投稿には、笑った議員たちに対しての様々な怒りの声が寄せられている。多くは、議員たちは就職氷河期を知らないのかという憤りである。また数字を出して当時を振り返る人も見られた。

 大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は次のように投稿している。

<投稿内容の引用>

「1997年(1998年卒)は就職率(文部科学省・学校基本調査「卒業者に占める就職者の割合」)が全体65.6%、女子64.5%(2023年卒は全体75.9%、女子81.2%)。就職氷河期の初期で「100社もの会社に落ちた」は女子学生だとそこそこある話だった」

https://x.com/ishiwatarireiji/status/1773531151379878208

 エントリーシートが通らず、面接に辿り着けた会社が数社のみだったり、大学名や性別で足切りされたり、が当たり前だった。筆者も氷河期世代だが、圧迫面接という言葉はまだあまり聞かれず、企業が高圧的でも入社を志望する学生は当然従順であるべき、という風潮が強かったように記憶する。

 また、氷河期世代の苦難を放置したことが、日本が少子化から抜け出せない結果につながったと見る意見もある。千葉県酒々井町の白井のりくに町議員(立憲民主党)は次のように投稿した。

<投稿内容の引用>

「氷河期世代は、正規職員になれず、非安定就労に低賃金で苦しむことになった。

氷河期世代は、本来なら、第三次ベビーブームが起きる世代のはずだった。

ところが、生活が安定せず、結婚、出産というライブイベントから遠ざかった。
その結果が、今の急速な少子高齢化の大きな原因になっている」

https://x.com/shirai_norikuni/status/1773943094926598444