非正規雇用の割合が突出して増加したのは1998年からの5年ほどで、これは就職氷河期とも重なる。言うまでもないことだが、企業は業績悪化を非正規雇用による人材費削減で乗り切ろうとしたのである。

 結果としてワーキングプアが増大。働けど働けど、お賃金が増える未来が予想できない当時の20代は、結婚や子育ては「贅沢」だと感じるに至り、この傾向は今も続いている。

 政治家たちはたびたび少子高齢化を嘆いて見せるが、その一因と指摘される氷河期世代のワーキングプア問題に策を講じてこなかったことをどう考えているのだろう。

氷河期世代を
代弁する議員は現れるか

 内閣府が氷河期世代を「人生再設計第一世代」と捉え、その再チャレンジを支援すると唱ったのは2019年だが、この世代がアラフォーを迎えてからのこの取り組みは遅すぎたのではないかと思わざるを得ない。

「人生再設計第一世代」が提唱された時期にも、氷河期からの反発は強かった。「自分たちの世代は政治から見捨てられた」と感じているこの世代からしてみれば「バカにしているのか」としか思えなかっただろう。

 そして今回もまた、国会議員たちのあんまりな反応に、見捨てられた世代の人々がざわついている。

 この世代の代弁者となる政治家を選挙で当選させたいと願うところだが、骨のある叩き上げ議員候補はどれほどいるだろう。伊藤議員の投稿は7000回近く再投稿され、1.8万件の「いいね」がついている。これほど共感を集める話なのだから、各政党は一人ぐらい、氷河期世代の救済を公約に掲げる候補者を立ててほしいものだ。