「100社落ちるなんてザラ」就職氷河期世代の悲惨物語を忘れた政治家たちの深刻今でも人々の心に傷跡を残す「就職氷河期」の記憶(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ある議員のXでの投稿に氷河期世代から多くの声が寄せられている。そこに綴られていたのは、就職氷河期をまるで忘れたかのような議員たちの態度だったからだ。今も当時の深刻な就職難が傷になっている40〜50代前半は少なくない。しかし政治家たちにとって、これは人ごとなのだろうか。(フリーライター 鎌田和歌)

売り手市場のバブル期から一転
地獄の「就職氷河期世代」

「『私が就職活動で100社もの会社に落ちた1997年…』と話し始めたら」――。

 3月28日夜、伊藤たかえ参議院議員(国民民主党)はXにこんな内容の投稿を行った。予算に関する反対討論の中で、就職活動中のエピソードを語ったところ、議場から吹き出す声などが聞こえたのだという。

<投稿内容の引用>

「令和6年度予算三案に関する反対討論で本会議登壇。 冒頭『私が就職活動で100社もの会社に落ちた1997年…』と話し始めたら、議長席(?)で吹き出す声や、議場から『100社はむごい』とか『オレ全部受かった』とか、笑い声や話し声が色々耳に入って来て動揺し、めちゃくちゃ噛んでしまう」

https://twitter.com/itotakae0630/status/1773323335671181355

 この投稿では触れられていないが、1997年が就活生にとってどういう時代であったのかは、40代以上であればすぐにピンとくるだろう。

 1991年にバブルが崩壊し、それまでは売り手市場だった就職事情が激変。特に1993年から2005年頃までに就職活動をしていた世代が「就職氷河期」と呼ばれる。