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ソーシャルウェブ革命の衝撃

社員に代わって顧客が顧客と対話!
玩具メーカー・レゴのアンバサダー制度

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第10回】 2008年9月11日
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 顧客に企業を代表してコミュニケーションしてもらう。製品にオンライン・コミュニケーションそのものを加えて(例えば自分の作品をレゴのウェブサイトに投稿して他のファンに見てもらったりレゴに商品化を検討してもらうなど)顧客同士でエンジョイしてもらう。

 そんなことはコントロールもできないしリスクも高いと思うのが一般的な企業ではないだろうか。

 しかし、それを超えて顧客との対話を深め、顧客と共同でビジネスをつくる企業がレゴだ。前回はレゴの大人のファンの熱心さと、それを活用した製品開発について論じた。今回は、顧客のパッションをプラスに生かす、レゴの顧客コラボレーションの手法をさらに深堀して検証したいと思う。

レゴ・ファンから憧憬される
アンバサダーの役割とその見返り

 レゴの顧客コミュニケーションのユニークさを示す好例は、アンバサダー制度だ。レゴのアンバサダー・プログラムは、熱心なユーザーとの関係づくり、そしてユーザーの動向などを知るという狙いで2003年に導入された。世界20カ国以上からユーザーの代表として40名が選ばれている(第6代の最新メンバーは今年6月発表された)。なおレゴ・アンバサダーはレゴの従業員ではないので、金銭的な報酬は一切伴わない。

 レゴ・アンバサダーは、組み立て方、製品、およびイベント知識を世界のレゴ・ユーザーと共有する、レゴの趣味に熱中する大人のファンで構成するコミュニティ・ベースのプログラムだ。

 アンバサダーは、レゴから情報をもらうと他のファンに知らせること以外に、オンライン議論への貢献、ローカルのユーザー・グループに参加あるいは立ち上げを支援、新しいファンにアドバイスをするなどの役割を担っている。

 レゴから受けるメリットとしては、以下のようなものがある。

 レゴ製品、発売前の製品情報、メーリングリストと四半期ごとの電話会議でのレゴ社内の様々なグループとのコミュニケーション、トップシークレットのプロジェクトへの招待、各地域のレゴ・マーケティングイベントへの招待など、だ。もちろんアンバサダーのオンライン・フォーラムでの議論にも参加できる。
 
 例えば、2006年アンバサダーの一人エリック・キングスレイ氏(38歳)は、地域のユーザー・グループNELUG(New England LEGO Users Group)に属し、 Save 9V Trainsサイト(現レゴ・トレイン&タウン・テーマ・サイト)を立ち上げている。NELUGではレゴのトレイン・イベントを行っている。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


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