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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

「予期せぬ成功」が必ず目にとまる仕組みをつくる

上田惇生
【第146回】 2009年6月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
イノベーションと起業家精神
ダイヤモンド社刊
2100円(税込)

 「予期せぬ成功ほど、イノベーションの機会となるものはない。これほどリスクが小さく、苦労の少ないイノベーションはない。しかるに予期せぬ成功は無視される。困ったことには、その存在を認めることさえ拒否される」(『イノベーションと企業家精神』)

 予期せぬ成功を認めるのは容易でないとドラッカーは言う。勇気がいる。現実を直視する姿勢と、間違っていたと率直に認めるだけの謙虚さがいる。

 人は誰しも、長く続いてきたものが正常であって、永久に続くべきものと考える。自然の法則のように受け入れてきたものに反するものは、すべて不健全、不健康、異常として拒否する。

 予期せぬ成功は気づかれさえしない。注意もされない。利用されないまま放っておかれる。そこへ誰かが現れ、市場と利益をさらっていく。

 予期せぬ成功に気づかないのは、今日の報告システムが注意を喚起するどころか、報告することさえしないからである。

 月ごとあるいは四半期ごとの報告書は、その1ページ目において目標を達成できなかった分野と問題を列挙している。

 定例の経営会議や取締役会では当然のこととして、目標以上の成果を上げた分野ではなく、問題の起こった分野に関心を向ける。

 「予期せぬ成功は、体系的に探求していかなければならない。まず行うべきは、予期せぬ成功が必ず目にとまる仕組み、注意を引く仕組みをつくることである」(『イノベーションと企業家精神』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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