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田中秀征 政権ウォッチ

ボストン爆破テロ事件が我々に警告
このままでは日本もテロ対象の例外ではなくなる

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第180回】 2013年4月25日
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 世界を震撼させたボストンマラソンでの爆破テロ事件は、米警察の容赦ない追跡によってたちまち収束した。

 その後のロンドンマラソンでは、同様のテロを恐れて厳戒態勢が敷かれたが、川内優輝君が優勝した長野マラソンは雪は降ったもののいつも通り平穏に終わった。

 今回の事件で国によっては、今後も大きなスポーツ大会など大勢の人が集まる場合には、テロに対する警戒を一段と強めることになろう。しかし、それでも完全にテロを封じ込めることができないだろう。

「テロの撲滅」は
「イスラムとの抗争」ではない

 さて、テロと言えばムスリム(イスラム教徒)によるものとまず受け取られる。それほど年々イスラム原理主義者などによるテロ事件は多くなっている。

 これに対してわれわれはよく「テロの撲滅」を叫び警備を強化するが、それでテロ事件が減ったり、なくなったりするわけではない。ボウフラをいくら撲滅しても、ボウフラの湧く水溜まりを放置しておけばいつまで経ってもボウフラは発生し続ける。それと同じようにテロの遠因を突きとめてそれを除去することも不可欠なのである。

 私は21世紀に入るとき、新世紀はわれわれの努力がなければ、ユダヤ・キリスト連合とイスラムの激烈な抗争が、最大の不安定要因になることを予想した。そして、9.11テロ以来ますますその危機感を強めている。

 そもそもわれわれは、テロと対決しているのであって、イスラムと対決しているのではない。イスラムと対決すれば、当然ムスリムはジハード(聖戦)で応えることになる。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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