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インキュベーションの虚と実

虚と実が混然とするアジアのスタートアップ
注目の3人の起業家から日本人が学べるポイントとは

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第26回】 2013年5月13日
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 4月下旬、アジアのスタートアップ・コミュニティを代表する3人が日本にやってきた。

 1人はラマ・マムラヤ氏(Rama Mamuraya)。インドネシアのテックスタートアップ・メディアDaily Social創業者だ。

 もう1人は、モハン・ベラニ氏(Mohan Belani)。アジアのスタートアップが集い、競い合う最大級のカンファレンスEchelon(エシュロン)を運営している。ベラニ氏はシンガポールを本拠地とするアジアのスタートアップをカバーするブログ・メディア『e27』の共同創業者兼ディレクターも務める。なおDaily Socialはe27のグループ入りを発表している。

 最後に紹介するのはイム・ジフン氏(Jimmy Rim)。韓国で評判の新興ベンチャーキャピタル、K Cube VenturesのCEOだ。

 筆者は、うち二人とパネル・ディスカッションに登壇するとともに、個別に話をうかがう機会を得た。それぞれの国でのスタートアップ・エコシステムを聞いていくと、各国でのスタートアップへの取り組みから日本が学べる点、そしてアジア展開を志向する日本のスタートアップや投資家などが考えたい点が多くあることが分かった。

インドネシア沸騰と思いきや
何年もかかる難儀な市場

ラマ・マムラヤ氏 Photo by Shuji Honjo

 1、2年前から日本でのインドネシア熱の高まりは、顕著になっている。Echelon 2013の4月25日東京でのサテライトイベントで「Startup and investment opportunities in Indonesia」と題して講演したマムラヤ氏は、日本からインドネシアに進出する会社や、日本の投資家のインドネシア企業への投資が増加していると指摘していた。

 例えば、サイバーエージェントベンチャーズやグリーベンチャーズなどが、既に投資を開始している。

 インドネシアは好材料が揃っていることは誰の目にも明らかだ。人口、若い年齢構成、経済規模と成長性、さらに親日的なカルチャー……。加えて、コミュニケーションが大好きな国民性がある。実際、ソーシャルメディアのユーザーが非常に多く、フェイスブックやツイッターの利用が盛んだ。通信キャリアや携帯端末メーカーが、アプリ開発に力を入れており、投資やコンテストなどによりスタートアップとの連携を加速している。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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