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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の42「論語」を読む。「言」とはなにか?
政治家が言葉を発するときに心すべきこと

江上 剛 [作家]
【第42回】 2013年5月28日
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 政治家が、その言葉で失敗したり、問題をおこすことは古今、数多い。

 特に最近は、それが目立つ。例えば、アベノミクス効果で好調な経済を演出し、今や圧倒的な支持率を誇る安倍首相は、歴史認識問題で米国や韓国の不興を買い、その言葉をトーンダウンさせた。

 また猪瀬東京都知事は、アメリカのメディアのインタビューで、オリンピック招致のライバル都市を貶めることを言ったということで謝罪に追い込まれた。

 さらに橋下大阪市長、日本維新の会共同代表は、従軍慰安婦について誤解を与えるようなことを言い、また沖縄駐留米軍に風俗業の活用を進言したということで問題になっている。

 それぞれの言葉の内容については、私は直接聞いたわけではない。また各氏は釈明ないし、主張に間違いはないなどと言われているので、それについて云々しようとは思わない。しかし、政治家は、その考えを言葉にして発する場合、よほど慎重に、誤解を与えぬようにしていただかねば、国益を損ねるということだけは言わせてもらいたい。

 自分の口から出てしまった後で、マスコミが悪い、意図が曲げられたと文句を言ってみても、まさに後の祭り。たとえ意に反するかもしれないが、とにかく早く火を消さねば、燃え続け、火は大きくなり、何もかも燃やしてしまうかもしれない。

三愆(躁隠瞽)に心すべき

 論語で「言」に関して最も有名なのは次の言葉だ。

子曰はく、巧言令色鮮(すくな)し仁。(学而第一)
(言葉巧みで容貌を飾り、やたらと愛想の良い人は、徳の無い人だ)

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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