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石黒不二代の勝手に改革提言!ニッポンの新しい教育

デザインスクールが日本の教育を変える!?
世界で最もイノベーティブな企業「IDEOの授業」

――IDEOリャン・サンジン日本代表×ネットイヤーグループ石黒不二代社長【後編】

石黒不二代 [ネットイヤーグループ代表取締役社長兼CEO]
【第28回】 2013年6月18日
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リャン・サンジンIDEO Tokyo代表と石黒不二代ネットイヤーグループ社長。IDEOのロゴの前で
Photo by Toshiaki Usami

アメリカ・シリコンバレーに本社を置くデザイン・コンサルティング会社「IDEO」をご存じだろうか。IDEOは「世界で最もイノベーティブな企業」(米Business Week誌2005年~2007年、米Fast Company誌2009年)にデザイン・コンサルティング企業として唯一選ばれた革新的な企業だ。

そんな同社がデザインする教育事業で最も注目すべきなのが、創設者のデイビット・ケリーが開設したスタンフォード大学の「d.school」。スタンフォードの各学部・大学院の学生がこのプラグラムを通じて「デザイン思考」を学ぶことで、それぞれの分野で新たなアイデアを生み出す大きなきっかけとなっている。日本でも東京大学、京都大学などが同様なプログラムの導入を始めたが、今注目の「デザインスクール」は日本の教育をどう変えることができるか。前編に引き続き、IDEO Tokyo代表のリャン・サンジン(梁善鎮)氏に話を聞く。

今回の記事を紹介した動画はこちらから(本記事4ページからもご覧いただけます)。

なぜ世界中のデザイナーが
日本で働きたいと思うのか

石黒 IDEOには優秀な方がたくさんいらっしゃいますが、彼らはみんな「日本に来て働きたい」と話していると先日、教えてくださいましたよね。でも私は、以前に比べて革新的でなくなったと言われる日本の状況を考えると、なぜ優秀なエンジニアやクリエーターが日本に来たがるのか信じられないのですが…。

リャン・サンジン(梁善鎮)
IDEO Tokyo代表、IDEOアソシエイトパートナー IDEO入社以前は、サムスンやブリティッシュテレコムでシニアストラテジストとして活躍。その後、IDEOの革新的なビジネスに魅せられて、IDEOへ。IDEO Tokyo代表となるまでは、IDEOのパロアルトオフィスに勤務し、東アジア地域でのビジネスをリードしてきた。現在では、京都大学の特命准教授も務めている。
Photo by T.U.

リャン 日本に来たがっているのは、IDEOの社員だけじゃないですよ、世界中のデザイナーがそう思っていると思います。石黒さんがそれを信じてくれないことの方が不思議です。

 IDEO Tokyoは最も新しくて、一番小さなオフィスなのですが、日本でプロジェクトがある場合、東京のオフィスだけではなく、世界中から最適な人を集めてプロジェクトを進めます。デザイナーがあまり気乗りしない場所も当然あるのですが、東京でプロジェクトがあるときは全員来たがるんですよ。CEOでさえ、来たいというくらいですから(笑)。

 なぜ来たがるのか。日本の都市化した光景が怖いと言う人もいますが、それはやはり日本の街はとても良くデザインされていて、おもてなしもすばらしく、日本に勝る国はないと誰もが考えているからです。

 今日の日本では、消費者と接点のあるほぼすべての場面がデザインされているといっていいでしょう。例えば、日本のクリーンで効率的な交通システム。電車は正確に到着するし、もし乗り遅れたとしても他の電車に乗ることができますよね。利便性の高いコンビニもたくさんあるうえ、リーズナブルで良いモノが手に入る。日本のものは高いけれど、ものすごく価値の高いものも提供していると思います。

 それから食べ物も素晴らしい!誰もが日本の食事は和食だけでなく、イタリア料理もフランス料理も世界で一番おいしいと思っていますよ。日本で手に入れられる食品や飲み物の驚くべき品質、素晴らしい物流システムは日本の素晴らしいデザインの一部に過ぎません。多くのグローバル企業が日本に学ぶために来ていることも多々あります。他の国の物流は時にひどいものです。

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石黒不二代 [ネットイヤーグループ代表取締役社長兼CEO]

スタンフォード大学にてMBA取得後、シリコンバレーにてハイテク系コンサルティング会社を設立し、日米間の技術移転等に従事。2000年よりネットイヤーグループ代表取締役として、ウェブを中核に据えたマーケティングを支援し独自のブランドを確立。

石黒不二代の勝手に改革提言!ニッポンの新しい教育

グローバル化が急速に進む今、世界で通用する競争力を持ち、リスクや変化を恐れずに活躍できる人材が渇望されている。しかし、日本はそうした人材を十分に育てられない環境下にある。今後、世界で活躍できる人材を育てるにはどのような教育改革が必要か。子どもの教育、社会人教育の両面から、その答えを探っていく。

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