アップルの年次開発者向けイベントWWDC(Worldwide Developers Conference)。例年、世界中からiPhoneやMacなどのアップルプラットホーム向けにアプリケーションを作る開発者が集まり、最新の基本ソフト(OS)や最新の機能の情報提供が行われる。またアップルのエンジニアとの会話の機会もあり、開発上の問題解決などを行うイベントとなっている。
米国西海岸時間6月10日10時より開催された「WWDC 2013」は、開発者1名あたり約15万円ほどかかる参加チケットが、わずか71秒で売り切れるほど注目が集まるイベントとなったが、それだけアップルのアプリ流通のエコシステムに参加する開発者・企業が増え続けていることを、よく表しているといええるだろう。基調講演を皮切りに、13日までワークショップやハンズオン(実機展示)が開催される予定だ。
会場となるサンフランシスコのMoscone Centerには、建物を取り巻くような大行列が前夜からでき、よりよい席で基調講演を聴けるようと備える風景が印象的だった。
技術者向けのはずの基調講演に、
世界のアップルファンが注目
WWDCは開発者向けのイベントであるため、通常の新製品発表のように消費者に語りかけるイベントとは違う。基調講演もどちらかというと技術的な話題が多く語られ、聴衆である開発者に対して、アップルのプラットホームがどんな方向へ向かうのか、また開発者にどんなアプリを開発できるようになるのか示唆を与える場でもある。
基調講演の1時間前に開場して聴衆が場内に詰めかける中、最前列ではアップルのTim Cook(ティム・クック)CEOを始めとしたエグゼクティブやVIPが言葉を交わす光景が見られた。中には、アップルの取締役でもある元米国副大統領Al Gore氏や、ソフトバンクの孫正義社長の姿も見られた。
午前10時に基調講演がスタートする。今年の基調講演は「Designed by Apple in California」をキーワードにしたムービーからスタートした。後に披露される新しいモバイル向けOS「iOS7」のデザインテイストをアニメーション化したものであり、今までのアップルのイメージとは少し変わった、珍しい雰囲気だった。
なお、基調講演の模様はアップルのウェブサイトから動画で見ることができる。