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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

“基本”と“原則”は状況に応じて適用すべきもの
破棄してはならない

上田惇生
【第337回】 2013年7月1日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
1890円

 「経験が私に教えたものは、第一に、マネジメントには基本とすべきもの、原則とすべきものがあるということだった。第二に、しかし、それらの基本と原則は、それぞれの企業、政府機関、NPOの置かれた国、文化、状況に応じて適用していかなければならないということだった。そして第三に、もう一つの、しかもきわめて重要な『しかし』があった。それは、いかに余儀なく見えようとも、またいかに風潮になっていようとも、基本と原則に反するものは、例外なく、時を経ず破綻するという事実だった」(『[エッセンシャル版]マネジメント』〈日本の読者へ〉)

 ところがドラッカーは、そのマネジメントにおいて致命的に重要な基本と原則が、どこにも明示されていないことに気づかされた。待っていても誰かがまとめてくれる気配はない。

 そこで、彼自身が書いた本が、『マネジメント─課題、責任、実践』だった。名著『現代の経営』を書いてから20年後の1973年のことだった。

 マネジメントの基本と原則についてのものでありながら、読む者を興奮させるという不思議な本だった。事実、これを読んで事業に成功したと回顧する経営者は多い。米国の証券会社エドワード・ジョーンズなどはこの本を読んで何度も手紙を書き、ドラッカーのコンサルティングを受けることに成功し、大成長を遂げたという。

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』の主人公・川島みなみちゃんが手にした本が、その抄訳である『エッセンシャル版』だった。

 ドラッカーは、その基本と原則を再び求められているのが日本の社会、政治、経済だとした。われわれは、今こそ基本と原則に戻り、あくまでも日本のものであって、しかも新しい状況に応じたシステムを構築しなければならない。

 「日本のシステムは、他のいかなる国のものよりも大きな成果をあげた。しかし、そしてまさにそのゆえに、今日そのシステムが危機に瀕している。それらの多くは放棄して新たなものを採用しなければならない。あるいは徹底的な検討のもとに再設計しなければならない。今日の経済的、社会的な行き詰まりが要求しているものがこれである」(『[エッセンシャル版]マネジメント』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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