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『半沢直樹』のような行内抗争は本当にあるのか?
元バンカーの筆者が感じるリアリティと銀行への警鐘

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第288回】 2013年8月13日
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ドラマ『半沢直樹』が異例の高視聴率
元バンカーの筆者が感じる人気の背景

 最近、銀行での人間模様を扱ったテレビドラマ『半沢直樹』(TBS系)が、今期ドラマでダントツとなる高視聴率を取り続け、注目を集めている。

 元銀行員の筆者も、経済や金融などの授業の後で、学生から「実際の銀行の中は、本当にあのドラマのようになっているんですか?」「銀行に就職しようと思っていましたが、あのドラマを観ているとやめたほうがいい気がして来ました。どう思いますか?」といった質問をよく受ける。実社会での経験が少ない学生に対して、ドラマ『半沢直樹』がいかに鮮烈な印象を与えているかがわかる。

 ただ、実際に三十数年間、銀行に勤務した経験からすると、「確かに、そういうこともあった」と思う一方、フィクションとしてかなり誇張された部分もあるという印象だ。

 『半沢直樹』なるドラマは見ていて面白い。実力派の出演者が揃っていることに加えて、ストリーの展開にスピード感がある。特に、半沢直樹が窮地に追い込まれながら、強靭な精神力を失わずに「倍返しする」というセリフを吐くところは、いかにも痛快だ。

 彼の周りには、見るからに不快感を感じる憎まれ役や、優しくて現実味のある家族が絡んでいる。また、ドラマの舞台である銀行には、わけのわからない人脈が存在し、それぞれ賢い登場人物が自分の利害によって動いている。視聴者の注目を集めるには、十分な要素が詰まっている。

 『半沢直樹』を見ていて、「実際の銀行もこうだったな」と思い当たることは確かに多い。特に、支店長が自分の責任で融資を実行させておきながら、それが不良債権化するとその責任を部下になすりつける場面などは、過去の筆者の経験に照らして、思わずうなずいてしまった。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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